天球の回転について 外観

書名・著者名

Nicolai Copernici Torinensis De revolutionibus orbium coelestium, libri VI : habes in hoc opere iam recens nato, & aedito, studiose lector, motus stellarum, tam fixarum, quam erraticarum, cum ex veteribus, tum etiam ex recentibus observationibus restitutos : & novis insuper ac admirabilibus hypothesibus ornatos; habes etiam tabulas expeditissimas, ex quibus eosdem ad quoduis tempus quam facillime caculare poteris; igitur eme, lege, fruere

出版・頒布事項Norimbergae : Apud Ioh. Petreium , 1543
形態事項196 [i.e. 392] p. : ill. ; 28 cm

解 説

コペルニクス (Nicolaus Copernicus, 1473-1543)の『天球の回転について』は地動説を説いた有名な書で、現存する初版は世界で276部確認されている。そのうち6部は日本で所在が確認されており、註1)その1部を本学で所蔵している。印刷された正式の題名は『De revolutionibus orbium coelestium libri sex』で、文字通りに訳すと『天球の回転についての6巻』となるが、一般的には『De revolutionibus (回転について)』で通称されている。

コペルニクスはポーランドに生まれ、ボローニャ、ローマ、パドヴァ、フェラーラに留学して、医学・教会法を修めた。また、医者の仕事の傍ら天文学の研究を行った。

本書は、ニュルンベルグで1543年コペルニクスが死を迎える直前に刊行された。本書刊行にあたりコペルニクスは教会側の反対を予測して慎重な態度をとったが、彼の発表した地動説はその予想通り多くの天文学者、宗教家の激しい非難を受けた。1616年にカトリック教会の禁書目録にのぼりながらも、コペルニクスに続くブラーエ、ケプラー、ガリレオ、ニュートンなど、科学革命の時代を彩った天才たちに大きな影響を与え、今日の宇宙観のまさに根底を築き上げた人類の記念碑となる書物といえる。

註1)『誰も読まなかったコペルニクス』 オーウェン・ギンガリッチ 著 柴田裕之 訳(早川書房 2005年)による


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