リエゾンオフィス長より

本学の特色を生かした「文理融合型」の連携でたとえば京都ブランドをアジアの巨大市場に発信。

 今後は、網の目のように多面的にネットワーク化された連携も考えていくべきです。大学は社会的存在であり、蓄積された学問的財産をできる限り社会還元し、その発展に貢献しなければなりません。本学は、まだ産官学の交流という考え方が広く根づいてはいなかった1965年の開学当時から、産官学連携の在り方を積極的に模索してきました。大学名に掲げた「産業」の文字も、その指針を明確に示しています。これからはシーズを具体的に提示するだけでなく、産業界をはじめとする各分野のニーズを的確に捉え、双方向的に研究開発を推進していく姿勢が非常に重要であると考えています。また、単体ではなく網の目のように多面的にネットワーク化された連携も追求する必要があります。立ち上げた「リエゾンオフィス」が、これらの総合窓口になることを願っています。

京都産業大学副学長・リエゾンオフィス長 今井 薫

京都産業大学リエゾンオフィス長
今井 薫

一拠点総合大学という本学の特徴を生かした多元的な「文理融合型」の連携を。

 数多くの分野、優れた人材が互いに刺激し合うことによって、つねに新たなものを創出してきた京都に倣い、本学も一拠点総合大学として「文理科学融合」をめざしています。ですから産官学連携においても、多元的な文理融合型の連携を構築できればと考えています。単なる技術的連携に終わるのではなく、たとえばマネジメントまで組み込んでいく。本来、社会科学というものは、社会の第一線で有効に活用されるべきものなのですが、日本の場合はまだまだ学問的な位置にとどまっているように感じます。本学では、これらを米国のように実践的なものにしていきたいと望んでいます。先ほど「網の目のように多面的にネットワーク化された産官学の連携」と申し上げましたが、文系理系においても同様の試みを推し進めたいと考えています。本学は9学部24学科のすべてが一つのキャンパスに集結していますので、双方向で総合的な取り組みがきわめてスムーズに行える環境が整っています。

地元の産業界・財界と連携して、21世紀の京都ブランドを世界に発信したい。

 産官学連携のもう一つの視点は、京都です。地元には世界に名高い一流企業が数多くあり、独自の研究開発を活発に行っておられます。この先取自立の気風に満ちた地元の産業界・財界と連携して、21世紀の京都ブランドを世界に向けて発信できればと願っています。本学はアジア・太平洋地域との学術的交流も盛んです。巨大な市場である中国に特化した経済や法律のプロジェクトも動きはじめています。アジア・太平洋地域のマーケットをターゲットにした「文理科学融合」の研究開発。これは非常に面白いのではないかと思います。多くの可能性がまだ眠っています。

大学で学んだ人材が連携する企業で働き、新たな問いかけを大学に行う流れを。

 京都の大学・短大で組織する大学コンソーシアム京都が脚光を浴びています。これは、長い歴史に培われた「大学の街・京都」だからできる試みですが、同じような意味で興味深いのが、米国・ノースカロライナのビジネスパークです。まず、複数の大学があって、そこに企業を誘致したわけです。産官学が単に連携するだけでなく、大学の卒業生を研究センターに還元しています。日本の場合は、まだ研究は研究、産業化は産業化といった感じですが、連携のメリットをもっとも享受するのは次代を担う学生でなければならないと考えています。大学で学んだ人材が大学と連携した企業で働くことによって、新たな問いかけが大学に向けて行われていくわけです。