「動物の奥深さをたくさんの人に知ってほしい」総合生命科学部 3年次 齋藤 達希さん

4.「動物の奥深さをたくさんの人に知ってほしい」 総合生命科学部 3年次 齋藤 達希さん

僕の夢は飼育員になることです。幼い頃に見た医療ドラマの影響で、ずっと命に寄り添う仕事をしたいと思っていました。そんな僕が飼育員になりたいと思い始めたきっかけは、大学2年生の夏休みにサークルの合宿で行った沖縄の美ら海水族館でした。飼育員の方がジンベエザメのいる大水槽で魚たちに餌をあげたり、水槽のガラスを隅から隅まで拭いたり、動物についての詳しい解説をされたりしていて、そこから動物たちの魅力を知りました。

その後、書店でたまたま『水族館ガール』という小説に出会いました。この本は、主人公が水族館の飼育員になり、観客側からは決して知ることのできない悩みや苦労を経験し、葛藤していく中で命の素晴らしさ・尊さを知って成長していくという物語です。 この作品を読んで、動物たちに真摯に寄り添うことの魅力に惹かれ、僕も主人公のような飼育員になってやるぞ、と決心しました。

今、僕はその夢に向かって、授業や研究活動を通して動物について多くのことを学んでいます。実習では動物園に行って飼育されている動物を調べるという授業があり、どんな風に餌を食べるのか、どんな環境で生きているのかを観察・調査しました。調べていると、こんな一面があるんだ!とか、結構考えて行動しているんだな、と新しいことを知り、動物って奥が深いなと感じました。免疫病理学の授業では、病気を患っている生物にどのような変化が起きるのかなど、実験を通して学んでいます。動物たちの健康がどのように維持されているのかを医学的な目線で理解する上でとても役に立っていると同時に、改めて生き物の尊さを感じています。

また、休日のほとんどは水族館や動物園に行き、今まで知らなかった動物たちに出会うようにしています。1匹の動物を1時間ぐらい張り付いて見てしまい、朝に行ったのに帰るころには夜になっていたなんてこともよくあります。何度も動物園や水族館に行っていると、「今日はあの動物どうしているのかな?」とか、「もっとあの動物の生態について知りたい!」と思うようになり、気になった動物たちの生態を図書館やネットで調べて学んでいます。動物だけではなく飼育環境についても、もっとこうすれば住みやすい環境になるんじゃないかなと考えて友達に話したりするのはとても楽しいです。

僕が飼育員になったときには、動物園や水族館に来てもらった人に少しでも動物について知ってもらい興味をもってもらうことで、自分が美ら海水族館で体験した感動を皆さんに伝えられたらいいなと思っています。そうすることでたくさんの人が動物に対して優しくなることができ、海の保全や動物たちの保護にもつながるのではないかと考えています。

動物というのは、知れば知るほど愛おしくなる存在です。そんな動物たちの魅力を一人でも多くの人に伝え、少しでも動物に関心を持ってもらえるようなきっかけを与えるため、常に動物たちと真剣に向き合いながら、知ることへの好奇心を絶やさない飼育員になりたいです。

齋藤 達希


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