フランス・休学留学

外国語学部 フランス語学科 永井 夏男さん

留学種別:休学留学
留学先:フランス・スパチュラカフェ
留学時の学年:3年次
留学期間:2010年2月〜2010年9月
出身高校:愛知県立長久手高等学校

永井 夏男さん

 私はフランス語学科にいるような『フランスが好き!』とか『フランス料理に憧れて』とか『フランス文学に興味があって…』など、決してフランスに対して良い印象を持っていたわけではなく、海外での生活環境(体験)や価値観を自分の身に取り込ませたく思っていたので、手っ取り早い留学という一つの方法を選びました。ただ一つ、興味があったとするならば世界の三大大会と言われているツールドフランスの発祥地であるというフランスに何かしら縁を感じてこの言語を選んだのだと思います。それに、理由は決して後付けでも遅くはないと思います。(例えば、あの時こうしていたから、今の自分があるのだ。っと思えることが人それぞれあるはずです。それと同じことだと思います。あの時留学しておいて本当に良かったと後で言えればいいと思っています。) 私と私の自転車がその地に降り立ったのは2月の終りであったのだけど、まだ日本語でいう柳緑花紅を微塵も感じさせない、寒さが身に染みる季節であり、(後で味わうことになる南フランス独特の)陽気さを全く感じられず、そして、留学先で味わうであろう洗礼を受けることになりました。フランスに降り立った初めの一か月は全く馴染めず、道行く全ての人々が敵に見え、常に自分の四方八方に気を漂わせて歩いていたためホームステイ先に帰ると酷く疲れを感じる毎日でした。また、ホームステイ先の住人も決して友好的ではなく、細かく書き込むスペースがないため、結果だけを言うと最悪という一言に終わってしまい、一か月後にはこのホームステイ先を出ることになりました。

 パソコンを故意に持っていかなかったため逃げ道がなくなってしまい、この一か月という期間によって肉体的にも特に精神的に追い詰められ、疲れが一気に出てしまい、熱を出し眠り込んでしまいました。しかし、この一か月という時間が自分をこの上なく強靭にしてくれ、そして後の6か月間を生活していくうえでのこの上ない私の財産となったのだから、人それぞれの一か月、一年という期間がどういう意味を持ち重みをもっていくかというのは本当に不思議であり、何より自分次第であると骨まで染みた思いです。

 2か月目からはコロカッション(日本語でいうルームシュア)という形で生活するようになり、全てを自分一人でやりくりしなくてはいけなかったのですが、こちらのほうが幾分か気楽で過ごしやすかったし、何より南フランス、海外を本当に満喫できました。また、いろいろな国籍の友達と過ごせたのは私の大切なものとなり、何より異習慣に直接触れることのできたまたとないチャンスでした。

永井さん

 私は私立の語学学校に通っていたので午後はすべてフリータイム、授業後は何をやるにも自分本位。両親が絞り出してくれたお金での留学という思いが強かったので(余談であるが今の留学生はこういう考え方で留学に臨むべきだとも思ったので)授業中は持ち前の性格で誰よりも発言し努力し、午後は暇を作らない努力をしました。≪日本語教師をやります≫という張り紙を町中に張ったり、持って行った自転車で隣町やイタリアに行ったり、仲よくなった海外の友達とバスで出かけたり、車で一緒に出掛けたりと自分でその時間を有効に活用しようという努力を怠らなかったと思います。そして故国というものは、出た時と同じ姿で帰る場所ではなく、錦を着て帰るところだと心に決めていたので、本当に自分で工夫しました。おかげで、帰りの飛行機の中で『久々の母国の空気を心地よく吸えるのだ』と胸が熱くなりました。

 私は、海外に行き変わったことは特にありません。変わったというよりは自分自身の考え方がより正しかったと自信を持てるようになりました。留学が終わり、私はもともと海外気質寄りだったと思います。そして、強いて言うなれば、日本と日本人の凄さに気が付かされ、日本のことが本当に大好きになりました。日本食、日本の女性の麗しさ、日本の道徳心や良心、日本に住んでいる自分の家族や、友達。どれも最高のものだということにより敏感になったと思います。

 ここに書ききれないことが山ほどありますが、本当に充実した良い海外生活(留学)だったと思います。

 これから留学される方へ。
 何事も自分自身で全て変えられること、そして、相手に対する思いやりと自分を貫く意思を持って海外に行って欲しいです。

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