理学研究科 新中 善晴さん(博士後期課程3年次)らが単独彗星としては世界初の
15NH2の検出に成功

概要

 京都産業大学大学院の新中善晴さん(博士後期課程3年次)と同大学神山天文台台長で理学部教授の河北秀世さんを中心とするグループは、2013年11月15日(世界時)に、ハワイのマウナケア山の山頂(標高4200m)にて、国立天文台すばる望遠鏡と高分散分光器HDSを用いて、アイソン彗星の可視光分光観測を実施しました。その際得られたデータの詳細な解析の結果、今回、単独彗星としては世界で初めて15NH2 (アミノ・ラジカルの窒素同位体)の検出に成功しました。彗星コマ中での太陽紫外線による光解離によりアンモニア分子のほとんどがNH2になるため、NH2の窒素同位体比からアンモニア分子の窒素同位体比を推定する事ができます。この観測により、彗星に含まれる窒素の主な担い手であるアンモニア分子の窒素同位体比について、アイソン彗星では太陽や地球の値に比べ「15Nがより多く濃集している」事が明らかになりました。今回の成果は、太陽系の起源を明らかにする重要な鍵となるものであり、ひいては地球における生命誕生の謎を解明する手掛かりになるかもしれません。本研究成果は、2014年2月20日号の米国天文学会の査読付き論文誌であるアストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)に掲載されました。

論文内容

14NH2/15NH2 ratio in Comet C/2012 S1 (ISON) observed during Its Outburst in 2013 November”

「2013年11月のアウトバースト中のアイソン彗星の14NH2/15NH2比」
by Yoshiharu Shinnaka, Hideyo Kawakita, Hitomi Kobayashi, Masayoshi Nagashima, & Daniel C. Boice

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関連リンク

研究を主導した理学研究科 新中善晴さんのコメント

京都産業大学 理学研究科
新中善晴さん(博士後期課程3年次)

 新中さんは、「今回、すばる望遠鏡での観測に成功したアイソン彗星は、観測した直後の簡易解析の段階で、ほぼ間違いなく15NH2を検出できていると確信していました。観測から論文出版までわずか2か月で達成できた事を非常に嬉しく思います。今回は観測直後にアイソン彗星は崩壊してしまい残念でしたが、今後の彗星研究の一つの方向性を示す事ができました。今回報告できていない他の成果についても、今後別論文として発表する予定です。」と今回の成果について語っています。