1分間で研究発表! My Research ゆめをむすぶ。

ゆめをむすぶ。CASE 2 小松奨さん

法律を深く理解して地域に貢献できる税理士を目指す

消費税法における
対価性の意義について

  • 法学研究科 法律学専攻 博士前期課程 2年次
  • 小松 奨(こまつ・つとむ)さん
    (※記事内容は取材当時のものです)
小松奨さん
学部時代に見つけた目標

大学生の時に受けた簿記の授業を好きになったことで、税理士を目指すようになりました。税理士は、法律の知識がなければ正しい情報を顧客に伝えることができない職業です。そこで、苦手な法律分野の条文を読む練習もかねて、大学院への進学を決意しました。また、論文の制作を通じて、自分の考えをしっかり相手に伝える練習も大学院ではできると考えました。京都産業大学は、毎年修士論文の実績を残しており、税理士向けの様々な選択肢を自分で選ぶことができるようになっています。このように、税理士を目指す人をしっかり支援してくれるという点も、京都産業大学の大学院に決めた理由です。

判例時報

図書館に並ぶ『判例時報』は、研究に欠かせない資料。

研究と試験勉強の両立

現在の研究テーマは「消費税法における対価性の意義について」。税理士試験でも消費税の勉強をしているので、研究価値のあるテーマだと感じています。
とはいえ、法学研究科での勉強と税理士試験は全く別物。そのため、頭の切り替えが必要です。シンプルですが、「この時間はこの勉強をやる」とスケジュールを決めることで、それぞれの勉強に集中して時間をかけられるようにしています。
日々の学びの中では、先輩や同期とのコミュニケーションも大切です。先輩方には、論文の制作体験をもとに様々なアドバイスをいただいています。論文を書くのは初めてなので、不安な要素が多々ありますが、先輩方の言動から、少しでも得るものがあればと考えています。そして同期とは、切磋琢磨し合える関係を築いています。年齢、性別、社会人、学部上がりの人など、それぞれ立場は異なりますが、わからないことがあれば助け合い、たまには雑談をしてリフレッシュ。大学院に進学してきた皆さんは、目標や向上心を持っている人ばかり。そのためか大学時代とは比べ物にならないほど濃密なコミュニケーションがとれていると感じます。
心がけていることは、一つひとつの文言の意味をしっかりと理解し、慎重に文献や判例を読み進めることです。法律用語というのは、同じ言葉でも様々な意味や解釈があり、その違いによって、条文の意味合いが変わります。以前教授にも、自分の使用した言葉の意味の違いについて指摘をいただいたことがありました。教授は、自分の知らない世界のプロフェッショナル。私を様々な角度から丁寧に導いてくださいます。
こうした学びの環境にいることで、自分の考えを伝える大変さを再認識するとともに、うまく伝わるように説明する能力といった、社会に出てから必要とされるスキルが自然と磨かれているように感じます。

小松奨さん
今の学びがむすぶ未来

当分の間は、論文と税理士試験を並行し、それぞれ手抜きせず、時間調整しながら勉強を重ねていきたいと思っています。将来は、地元の岡山に帰り、地域密着型の税理士業務を行うのが目標です。そのためにも、京都あるいは大阪という大きな街で成長し、自分の得意分野を見つけた上で、将来、地元に貢献できる人間になりたいと思います。

The Message
大学院に対し、少し堅いイメージを持つ方がいるかもしれませんが、私の所属する研究科ではそんな雰囲気はありません。みんなでわいわい過ごすこともあります。とはいえ、怠けているのではなく、やる時はしっかり濃密な議論を重ね、互いに切磋琢磨しています。大学院は一人ひとりが目標を持って取り組んでいるため、自分を成長させるには最適の環境です。
そして学部時代とは違い、何事も自分の興味関心をもって自発的に動くことが必要です。また、自分なりの考えをしっかり述べることも重要。少人数制の授業だからこそ発言力が養われ、的確に気持ちを伝える訓練が可能です。実際、自分自身もこれまで所属したどの環境より、大学院が一番成長できている場所だと感じています。
小松奨さん