教授 諏澤 吉彦(スザワ ヨシヒコ)

担当する領域科目名 保険論
研究テーマ 組織経営におけるリスクマネジメント・ファイナンスに関する研究
取得学位 一橋大学 博士(商学)、St. John's University MBA(Hons.), MSc
研究分野を表すキーワード 保険、ファイナンス、リスクマネジメント
研究室電話番号 非公開
e-mail 非公開

研究の概要

 組織経営におけるリスクマネジメントは、単に起こりうる損失に備えるものではなく、様々なリスクを軽減することをとおして価値最大化を実現することを目的としたものである。さらに、近年の統合リスクマネジメントの展開がものがたるように、レバレッジや成長可能性を考慮した組織の広範囲のニーズに合わせて戦略を立てることも求められるようになっている。このような現実認識にもとづいて、組織経営における新たなリスクマネジメントの理論的かつ体系的な確立を試みる。そのために、とくにロスファイナンスの分野を中心として研究を行っている。この分野には、純粋リスクと価格リスクをあわせた保険とヘッジのあり方、事業および投資活動における分散のあり方など、リスクマネジメントをめぐる多くの課題が存在する。これは、米国において近年急速に発展している研究分野であり、わが国においても今後ますます注目されるものと考えられるため、経営、経済、ファイナンス、統計数理などの視点から、さまざまな課題に焦点をあてて研究を行っている。

主な論文、著書など

  • "Insurance Business Synergies, Economic Growth and Strategic Planning," International Journal of Business Environment, Vol.8, No.3, coauthored with Inoguchi, M. Y. Ma, N Pope, 2016. 生命保険・損害保険事業の成長が経済成長にどのような相乗的効果をもたらすのかを分析したもの。
  • 「保険業規制の国際協調のあり方に関する考察―保険のリスク移転と金融仲介機能に焦点をあてて―」『保険学雑誌』第629号、2015。保険市場グローバル化のなかでの公的規制のあり方を検討したもの。
  • 「老齢保障のシステムにおける公・私保障の機能分担」岡田太志編著『生活保障システムのパラダイムシフトと生命保険産業』第7章、2015。少子高齢化のなかでの公的年金と民間の年金保険の機能分担のあり方を検討したもの。
  • "Principles for Sustainable Insurance: Risk Management and Value," Risk Management and Insurance Review, Vol.17, No.2, coauthored with Scordis, N. A., A. Zwick and L. Ruckner, 2014. 持続的社会の実現に向けた保険事業の貢献のあり方を検討したもの。
  • "The Impact of Insurance on a Sustainable Society Exposed to Natural Disaster Risks,"『京都マネジメント・レビュー』第25号、共著、2014。各国の自然災害保険プログラムの効率性と入手可能性を分析したもの。
  • 『はじめて学ぶリスクと保険』(第4版)下和田功編、共著、有斐閣、2014年。保険をリスクマネジメント手法の一つであると位置付けたうえで、リスクと保険を体系的に学ぶ入門テキスト。
  • 「国際金融・保険グループの成長と金融・保険監督規制に関する考察」(公財)生命保険文化センター『国際的保険グループ監督規制研究会報告書』、2013。金融市場の融合と金融機関活動の国際化に対応した規制監督のあり方を検討したもの。
  • "Study of Division of Roles between Compulsory and Voluntary Insurance: The Case of Japanese Automobile Liability Insurance Scheme," 『京都マネジメント・レビュー』第20号、共著、2012。自賠責保険と任意自動車保険の領域分担について市場均衡モデルに基づいて分析したもの。
  • "Insurance Industry Activity and Economic Development in the Asia-Pacific Region," AU Journal of Risk Management and Insurance, No. 16, coauthored with Masahiro Inoguchi, 2012. アジア太平洋地域における経済成長と保険活動との関係を計量分析したもの。
  • "Efficiency Performance of Japanese Non-Life Insurers and Their Portfolio of Insurance Policies," Hitotsubashi Journal of Commerce and Management, No.45, coauthored with H. Miyashita, T. Yoneyama and Y. Tseng, 2011. 損害保険企業の保有する保険契約ポートフォリオ構成が費用効率性に及ぼす影響を計量分析したもの。
  • "Shareholder Value: The Case of Japanese Captive Insurers," Asia-Pacific Journal of Risk and Insurance, Vol.5, No.1, coauthored with Y. Maeda and N. A. Scordis, 2011. 日本企業のキャプティブ設立が株主価値向上に貢献するか否かを、シミュレーション・モデルにより検証したもの。
  • 「統一料率と保険会社のインセンティブ―自賠責保険と地震保険が経営に与えた影響―」『損害保険研究』第73巻1号、共著、2011。上記保険種目の基準料率制度の有効性を、保険会社の契約引受けのインセンティブの視点から分析したもの。
  • 「医療保険市場における民間保険のあり方に関する考察−公的保険と民間保険の役割分担に関する分析モデルの検討を中心に−」『生命保険論集』第174号、2011。医療保険市場における公的・民間保険の領域を、分離価格均衡モデルに基づいて検討したもの。
  • 「損害保険料率規制の転換―保険市場の情報問題からの一考察―」『保険学雑誌』第611号、2010年。損害保険分野の規制緩和の意義を、保険市場の情報不完全性に注目して分析したもの。
  • “Efficiency Performance of Japanese Non-Life Insurers and Their Underwriting and Distribution Strategies” 『京都マネジメント・レビュー』第16号、共著、2009年。損害保険企業のアンダーライテイングおよび販売方針の違いが費用効率性に及ぼす影響を計量分析したもの。
  • 「カタストロフィ・ボンドのトリガー選択と損害保険契約ポートフォリオ」『京都マネジメント・レビュー』第14号、2008年。損害保険企業が再保険に加えカタストロフィ・ボンドを補完的に利用する場合の適切なトリガー選択について検討したもの。

教員および院生の活動記録(学会および研究会などでの発表)

  • “Public-Private Pension Insurance in the Demographic Transformation,” Asia-Pacific Risk & Insurance Association, August 2016.
  • “Division of Roles between Private and Public Retirement Insurance Plans for an Aging Global Society,” World Risk & Insurance Economics Congress, August 2015.
  • 「保険業規制の国際協調のあり方に関する考察一保険のリスク移転と金融仲介機能に焦点をあてて一」日本保険学会全国大会、2014年10月。
  • “National Market Economic Growth: The Contributions of Insurance Market Synergies,” Asia-Pacific Risk & Insurance Association, July 2014.
  • Suzawa Yoshihiko and Takau Yoneyama, “Regulatory Intervention into Insurance Ratemaking: A Test of the Sustainability of Japanese Automobile and Earthquake Insurance Schemes,” Japan-Korea Insurance Scholars' Exchange Workshop, January 2014.
  • Suzawa Yoshihiko and Nicos A. Scordis, “Public-Private Insurance Partnership for a Sustainable Society Exposed to Natural Disaster Risks,” Asia-Pacific Risk & Insurance Association, July 2013.
  • Suzawa, Yoshihiko, Masahiro Inoguchi and Nat Pope, “The Complementary Effects of Insurance Industry Activity on Marketplace Development,” American Risk & Insurance Association, August 2012.
  • 諏澤吉彦「生活保障システムにおける公保険と私保険の範囲に関する考察」、生活保障システムと生命保険産業の研究会(公益財団法人生命保険文化センター)、2012年8月。
  • 諏澤吉彦「国際生命保険市場におけるソルベンシー規制と価格競争のあり方に関する研究−国際金融・保険グループの成長とその金融・保険市場への影響を踏まえて−」、保険監督規制研究会(公益財団法人生命保険文化センター)、2012年3月。
  • 諏澤吉彦「從地震風險的保險可能性看日本地震保險制度的有效性:以東日本大地震為例」(地震リスクの保険可能性から見た日本の地震保険制度の有効性の検討-東日本大震災の経験をふまえて-)、中台灣日本研究論壇(中部台湾日本研究フォーラム)、2012年1月。
  • Suzawa, Yoshihiko and Masahiro Inoguchi, “Financial Development and Insurance Activities in the Asia-Pacific Region,” Asia-Pacific Risk & Insurance Association, August 2011.
  • Suzawa, Yoshihiko and Takau Yoneyama, “Division of Roles between Compulsory and Voluntary Insurance: A Case of Japanese Automobile Liability Insurance Scheme,” Asia-Pacific Risk & Insurance Association, August 2011.
  • Suzawa, Yoshihiko and Takau Yoneyama, “Effectiveness Evaluation of the Japanese Standard Full Rate System in Relation to the Profitability of Non-Life Insurer,”World Risk and Insurance Economics Congress, Singapore Management University, July-August, 2010.
  • Yoneyama, Takau and Yoshihiko Suzawa,“Efficiency Performance of Japanese Non-Life Insurers and Their Unferwriting and Distribution Strategies,”Asia-Pacific Risk and Insurance Association, Beijing University, July, 2009.

特記事項

  • 公益財団法人損害保険事業総合研究所 本科講座講師(2005年4月〜)
  • 公益財団法人生命保険文化センター 生活保障システムと生命保険産業の研究会委員(2012年7月〜2015年3月)
  • Asia-Pacific Risk and Insurance Association, Director, Board of Governors(2012年7月〜2014年7月)
  • St. John's University, Peter J. Tobin College of Business, Visiting Scholar(2012年9月〜2013年8月)
  • 『生活経済学研究』(生活経済学会)編集委員(2015年6月〜)
  • 日本保険学会評議員(2016年10月〜)
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