教授 森 博達(モリ ヒロミチ)

担当する領域科目名 朝鮮語
研究テーマ 東アジア語文交渉史の研究
取得学位 名古屋大学 修士(文学)
研究分野を表すキーワード 日本書紀区分論、日本漢字音、音訳漢字、復元音、変格漢文
研究室電話番号 075-705-1870
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研究の概要

 東アジア語文交渉史の研究、音韻・漢語・漢文にわたる語文交渉史の研究に努めている。『日本書紀』30巻中、α群(巻14〜21、24〜27)の万葉仮名が渡来中国人により表記されていることを証明し、このα群によって当時の日中両言語の音韻を復元した。この区分は文章でも認められ、β群(巻1〜13、22〜23、28〜29)は倭習に満ちているが、α群は原則として、正格漢文により述作されていることを明らかにした。さらにβ群を中心として、古代韓国の変格漢文との共通点も指摘した。
 また、東アジア音韻交渉史研究の一環として、次のような研究をした。

  1. 鳥獣の鳴声によって日中の音韻史を辿った。
  2. 「魏志倭人伝」の訳注、および地名や人名の表記から倭人語の特徴を解明。
  3. 三角縁神獣鏡の韻律を分析して、特鋳説が成り立たないことを論証。
  4. 「稲荷山鉄剣銘」の音訳にアクセントが反映していることを論証。
  5. 中国人が音訳したイロハや五十音図を分析し、16 〜 18 世紀の音価を推定。
  6. 「鶏林類事」の音訳漢字を分析し、12 世紀初の北宋と高麗の声調調値を推定。
  7. 古代日本語の音韻・アクセントを復元し、『源氏物語』等の復元音原稿を作成。

主な論文、著書など

  1. 単著『日本書紀 成立の真実―書き換えの主導者は誰か―』2011年 中央公論新社
  2. 「日・韓俗漢文の世界―『日本書紀』区分論と終結辞の「之」字―」(韓国語)東北亜細亜歴史財団『古代東アジアの文化交流と疎通』2011年
  3. 「日本書紀に見える古代韓国漢字文化の影響」(韓国語)韓国木簡学会『木簡と文字』6、2010年
  4. 「日本書紀に見える古代韓国漢字文化の影響(続篇)―山田史御方と三宅臣藤麻呂―」(韓国語)韓国木簡学会『木簡と文字』8、2010年
  5. 「日本における漢字辞典の歴史」、『東洋学』第46輯、(韓国)檀國大学校東洋学研究所、2009年
  6. 「復元音で読む源氏物語―平安時代の発音・アクセントをどのように復元するのか (源氏物語千年紀シンポジウム)」、『京都産業大学日本文化研究所紀要』14、2009年
  7. 編著『附諸表索引廣韵切韵譜』臨川書店、2008年
  8. 「『日本書紀』―その典拠(資料)研究の方法と實際―」(韓国語)、『韓國文化』42、ソウル大学校 奎章閣韓國学研究院、2008年
  9. 「辰韓の言語について」、『東アジアの古代文化』137、大和書房、2008年
  10. 単著『日本書紀の謎を解く―述作者は誰か―』1999年 中央公論新社:2006 年ソウルにて韓国語版出版。
  11. 共著『東海学と日本文化』「中国の蓬莱思想―神仙思想と銅鏡の銘文」2003年 五月書房
  12. 共著『ワカタケル大王とその時代』「稲荷山鉄剣銘とアクセント」2003年 山川出版社
  13. 論文(韓国語)「鶏林類事の音訳について―声調の反映―」『高麗朝語研究論文集』2003年
  14. 論文「日本書紀成立論小結―併せて万葉仮名のアクセント優先例を論ず―」『国語学』54-3、2003年
  15. 共編著『漢字知識百科』2002 年 三省堂 阿辻哲次・一海知義氏と共編。
  16. 単著『古代の音韻と日本書紀の成立』1991年 大修館書店

特記事項

2000年、第54回毎日出版文化賞、『日本書紀の謎を解く―述作者は誰か―』
1992年、第20回金田一京助博士記念賞、『古代の音韻と日本書紀の成立』

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