教授 吉田 和男(ヨシダ カズオ)

担当する領域科目名 財政学
研究テーマ 日本経済と財政の数理分析
取得学位 京都大学 博士(工学) 京都大学 博士(経済学)
研究分野を表すキーワード 財政学,数理経済学,非線形経済学
研究室電話番号 非公開
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研究の概要

 財政学は理論経済学の発達に伴って、マクロ経済学の延長としての財政政策論に加えて、ミクロ経済学の延長としての公共経済学が大きく成長しました。また、財政は市場によらない経済の部分を含むため、政治・行政過程としてこれをとらえる必要があり、このため権力行為としての財政活動を規定する制度的な側面からも考える必要があります。財政の様々な問題を検討していく方法として、数理経済学での成果を取り入れた数理財政学の研究を進めてきました。
 具体的には、国債発行の問題を中心に、財政赤字の問題、国民の財政規模の選択の問題、景気政策としての財政政策の有効性問題、世代間の負担の調整問題を考えていますが、これらの問題に対して、制御理論、磁性体のモデルであるイジング・モデルやシナジェティクスなどの様々な数学的方法を取り入れることによって、財政の諸問題の本質を明らかにすることを研究しています。
 さらには、従来の経済学の枠組みにとらわれず、非線形数学を応用して日本経済・財政だけでなく「日本型システム」と呼ばれるシステムも分析の対象としていきます。

主な論文、著書など

  1. 吉田和男・島義博、『経済学に最低限必要な数学[増補改訂版]』、日本評論社、2010年、(大学院生向けテキストを読むために必要になる数学をまとめたものです)
  2. 吉田和男・井堀利宏・瀬島誠編、『地球秩序のシミュレーション分析』、日本評論社、2009年、(政治学・経済学・工学の研究者による学際的研究で、複雑に変動する政治・経済情勢を、独自のシミュレータに基づいてシミュレーション分析した研究)
  3. 吉田和男編、『複雑系経済学へのアプローチ』、東洋経済新報社、2002年、(カオスやシナジェティックスなどの非線形数学の経済学への応用分析)
  4. 吉田和男、『日本経済再生「国民の痛み」はどうなる』、講談社,2001年、(累積財政赤字問題への方策と数値シミュレーション分析を紹介)
  5. 吉田和男、『財政改革が日本を救う』、日本経済新聞社、1998年、(累積債務問題を踏まえ、医療・教育も含めた公共支出全体への改革を提言)
  6. 吉田和男、『地方分権のための地方財政改革』、有斐閣、1998年、(「財政錯覚」の害を説き、自活する真の地方自治を、明解なロジックと豊かな現場理解に基づいて提言。)
  7. 吉田和男、『複雑系としての日本型システム』、読売新聞社、1997年、(根まわしや集団主義など、「日本的」なるものの正体を「複雑系」のモデルで分析)
  8. 吉田和男、『安全保障の経済学』、日本経済新聞社、1996年、(ポスト覇権時代の国際関係と安全保障政策のあり方を、ゲーム理論や非線形数学を用いて分析)
  9. 吉田和男、『日本財政論―数理財政学序説』、京都大学学術出版会、1995年、(財政学の総体と諸問題を明確化し、政治的意志形成と財政-金融政策の妥当性を問うための数理財政学を提示)
  10. 吉田和男、『日本型経営システムの功罪』、東洋経済新報社、1993年、(各国の歴史、文化、社会慣習に基づいて成立している経営システムの違いとその原因を考察し、日本・アメリカ・ドイツの三国間競争の今後を、現地取材を通して活写)
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