教授 福井 唯嗣(フクイ タダシ)

担当する領域科目名 社会保障論
研究テーマ 個人属性の異質性とその変化を前提とした公共政策のあり方
取得学位 京都大学 博士(経済学)
研究分野を表すキーワード ライフサイクル、固有リスク、公共経済学
研究室電話番号 075-705-1874
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研究の概要

 人々の経済状態はいつも多様である。また、各個人の経済状態は、自発的選択によって変化するだけでなく、病気や失業などの外生的なショックによる変動にも見舞われている。このことを前提とすれば、ある一時点を切りとって見るだけでは経済状態の流動性がもたらす影響について考察することができないし、経済変数の平均的な推移を見るだけでは個人間の異質性は捨象されてしまう。したがって、さまざまなライフステージでさまざまな経済状態にある人々を総体的に捉えて、公共政策のあり方を考える必要がある。
 本研究で考察の対象とするのは、生涯において変化する可能性があるような個人属性の異質性で、具体的には能力や健康状態、世帯環境などである。一般に、個人がリスクに直面しているとき、分権経済の効率性は低下する。そのとき、結果の公平性に配慮した再分配政策は、個人のインセンティブを損なう面もあるが、個人に散らばるリスクを集めることで、積極的なリスク・テイキングももたらす。公共政策の制度設計には、これらの要素に配慮する必要がある。

主な論文、著書など

  1. 「介護保険財政の都道府県別将来推計」,『京都産業大学論集』社会科学系列第33号,61-80頁。
  2. 「協会けんぽ財政の将来推計」、『京都産業大学論集』社会科学系列第32号、85-101頁、2015年。
  3. 「医療・介護保険の平準保険料方式への移行」、『季刊社会保障研究』第50巻第3号、324-338頁、2014年(岩本康志と共著)。
  4. 「高齢者医療制度と市町村国保財政」、『京都産業大学論集』社会科学系列第31号、75-100頁、2014年。
  5. 「市町村国保財政の都道府県別将来推計」、『京都産業大学論集』社会科学系列第30号、215-238頁、2013年。
  6. 「世帯形成の変容が所得格差に及ぼす影響」、『京都産業大学論集』社会科学系列第29号、155-180頁、2012年。
    :世帯所得不平等度に関する疑似パネルデータ分析
  7. 「長期推計に基づく財政の持続可能性についての検証」、『経済論叢』第185巻第1号、1-15頁、2011年。
    :機械的推計による日本財政の長期シミュレーション
  8. 「医療・介護保険への積立方式の導入」、『フィナンシャル・レビュー』第87号、44-73頁、2007年(岩本康志と共著)。
    :医療・介護保険の新たな財政方式に関する政策シミュレーション
  9. 「資産収益における固有リスクのもとでの課税政策の厚生評価」、『京都産業大学論集』社会科学系列第20 号、89-105 頁、2003 年。
    :資産収益リスク下での課税政策に関するシミュレーション分析
  10. 「労働所得税による人的資本投資のリスク・シェアリング効果」、『経済論叢』第168巻第4号、22-37頁、2001年。
    :労働所得税による人的資本投資促進効果についての理論的検討
  11. 「同居選択における所得の影響」、『日本経済研究』No.42、21-43頁、2001年(岩本康志と共著)。
    :親子の同別居選択と所得の関係についての実証研究
  12. 「日本財政における構造赤字の推計 −構造的財政収支を基準とした政策評価−」、『フィナンシャル・レビュー』第53号、162-84頁、2000年(吉田和男と共著)。
    :1990年代までの日本の構造的財政収支の推計
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