教員紹介岩下 靖孝

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岩下 靖孝IWASHITA YASUTAKA

理学部 物理科学科 准教授

専門分野
ソフトマター物理

担当科目

物理科学特別研究1・2、固体物理学A、物理学実験Ⅰ、物理学実験Ⅲ、物理学最前線、物理学演習Ⅰ、物性・材料実験講座Ⅰ、物性・材料実験講座Ⅱ、実験物理学講座Ⅰ、実験物理学講座Ⅱ、現代科学入門

プロフィール

1976年 山形県生まれ
2004年 東京大学大学院 工学系研究科(物理工学専攻)
博士課程修了 博士(工学)取得
2004-2006年 東京大学 生産技術研究所 研究機関研究員
2004年 武蔵工業大学(現・東京都市大学) 工学部 非常勤講師
2006-2009年 Max Planck Institute for Dynamics and
Self-Organization(Germany)ポスドク研究員
2009-2018年 九州大学大学院 理学研究院物理学部門 助教
2019年- 京都産業大学 理学部 准教授
現在に至る

研究内容

ゼリーや人体は柔らかいけれど一定の形を保っています。砂山はそのままでは動きませんが、傾けると液体のように流れます。ディスプレイに使われている液晶それ自体はドロッとした液体ですが、電場をかけると分子の向きが大きく変化します。このような「やわらかい」物質群はソフトマターと呼ばれ、通常の固体・液体・気体とは大きく異なる性質を持ち、自然界から産業界まで様々な場面で重要な役割を果たしています。ソフトマターの興味深い振る舞いの起源を解明し、これまでにない新たなソフトマターを創造することを目指して、実験や計算機シミュレーションによる研究に取り組んでいます。

特別研究(ゼミ)テーマ・内容

ソフトマター物理学

ゼリーや人体は柔らかいけれど一定の形を持ち、砂山は傾けると液体のように流れます。通常の固体・液体・気体とは異なるこのような「柔らかい」物質群をソフトマターと呼びます。その新奇な性質を解明し、新たなソフトマターを創り出すことを目指しています。


特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

ソフトマター物理学

物理学には「物の性質」を探究する“物性物理学”という分野があります。普段よく見聞きする「気体・液体・固体」という物質の三態は、実は非常に曖昧なもの。物性物理学ではさらに複雑な物質や状態に踏み込みます。中でも研究が盛んな分野の一つが「ソフトマター」です。難しくいえば「液体と固体の性質を併せ持つ柔らかい物体」ですが、実際には液晶からゼリーまで日常の中に広く存在する物質でもあります。

ソフトマター物理学では「中間のサイズの構造」が重要な役割を果たしています。分子・原子の「ミクロ領域」と、われわれが目で認識できる「マクロ領域」の中間を「メゾスコピック領域」といいますが、物質の中にあるこの領域のサイズの構造がソフトマターの性質を特徴づけているのです。私の研究室では微粒子を手掛かりに、新たなソフトマターを生み出す研究を行っています。特に今、注目しているのが「砂」です。具体的には「せっけんのような性質を持った新しい砂」をつくることができないか、試行錯誤をしているところです。
そもそもせっけんでは界面活性剤という、水分子と油分子がくっついたような性質を持つ分子が油を包み、水に溶かし込んでいますが、同様のものが砂でつくれないかと考えています。研究が進めば、原油が流失した海にまいて海水と分離させることができたり、地震による地盤液状化現象の防止に役立つようなものができるかもしれません。原子や分子と違い、物質を構成する単位を自在に制御できる利点を生かし、新たな物質をつくり出せるこがこの分野の醍醐味だと思います。

受験生・在学生へのメッセージ

自らに限界を設けず、勉強、研究、なんでも積極的に取り組みましょう!

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