教員紹介クロス 京子

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クロス 京子CROSS KYOKO

国際関係学部 教授

学位
政治学博士(神戸大学)
専門分野
平和構築、紛争解決学、人間の安全保障、移行期正義

研究テーマ

「移行期正義(transitional justice)」
私は、紛争や人びとの人権を抑圧する体制が崩壊した後に、過去の人権侵害など重大犯罪がいかに解決されるのかについて研究しています。「移行期正義」という考え方は、アフリカやアジアなどで冷戦後に内戦が多発し、多くの市民が巻き込まれる中で急速に注目されるようになりました。しかし、「正義」や「和解」という言葉は多義的で、それを使う人びとや社会によって意味や実現する方法が異なります。私の研究テーマは、国際関係論や社会学の理論を用いて、移行期正義の考え方や方法がいかに紛争後国に広がり、実施されてきたのかを明らかにすることです。これまで紛争を経験した多くの国や地域を訪れ、大規模人権侵害など負の過去を乗り越えて平和な社会を実現するために、どのような方法や制度が取り入れられたのかについて現地調査してきました。

担当科目

Issues in International RelationsⅠ・Ⅱ
平和構築論Ⅰ・Ⅱ、国際ジェンダー論Ⅰ・Ⅱ
Human Security
基礎演習Ⅰ、研究演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
海外フィールド・リサーチ

プロフィール

兵庫県出身ですが、京都には生まれ育った町より長く住み、心はすっかり京都人です。コーヒーとチョコレート、お酒が大好きです。

学生へのメッセージ

社会科学には「正解」はありません。私が担当する「平和構築論」では、様々な平和構築のプログラムを紹介しますが、何が紛争後の安定につながるのかは政治・経済・社会状況で異なりますし、専門家の間でも意見が違うこともあります。平和や安定に特効薬はないのです。

これは人生全般に当てはまることです。何を勉強したら志望大学に合格できるのか、希望の企業に就職できるのか。誰と結婚したら幸せになるのか。「正解」はありません。ですから簡単に「正解」を求めるのでなく、たくさん悩み、考えましょう。言われたことを鵜呑みにするのではなく、批判的かつ論理的に考え、結果を分析できる能力を大学4年間で身に付けましょう。国際関係学部での学びが、単に知識の習得ではなく、「正解」のない人生を歩んでいくための「生きる力」になることを願っています。


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