教員紹介下出 祐太郎

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下出 祐太郎SHIMODE YUTARO

文化学部 京都文化学科 教授

学位
博士(学術)(京都工芸繊維大学)
専門分野
漆芸文化全般、伝統産業工学

プロフィール

1955年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。第二詩集、第三詩集いずれもH氏賞候補。伝統工芸士。即位礼や大嘗祭の神祇調度蒔絵や、伊勢神宮式年遷宮御神宝蒔絵、京都迎賓館の飾り台「悠久のささやき」等を手がける。京都市芸術新人賞等受賞多数。第14回~第37回日展連続入選。以後フリーで活動。好奇心旺盛。ジョークと駄洒落が大好き。黙っていると口に虫が湧くタイプ。学生時代は剣道同好会に所属していました。もちろんコンパ要員です。

研究テーマ

私が携わってきた漆について、さまざまな角度で研究しています。漆の植生や物性、漆の工法、漆芸文化財、高台寺蒔絵、輸出漆器、職人の技術や技能、漆器の扱い方、創作的技法、漆と基材、伝統産業の活性化、近代産業とのマッチング等々。特に天然の樹液という有機的な最たるものと、金という無機的な最たるものを融合し発達させてきた「蒔絵」という日本人の叡智の文化。日本の9000年に亘る漆文化に関連するあらゆるものを研究対象としています。

研究活動・教育活動

小文字のJapanが蒔絵漆器を示し、日本の代表的な工芸であることを多くの日本人が知らない現状があります。京都では1200年間継承されてきた伝統工芸を絶やさないためにも、近年は企業との連携で新素材や異素材とのコラボレーションの研究も試みています。教育活動においては、大学等の教育機関での啓蒙的な講義や、兼職の工房で蒔絵技能の継承に力を注いでいます。

担当科目

日本語表現1、京都文化基礎演習、京都の伝統文化、京都の美術工芸史、京都文化演習Ⅰ、京都文化演習Ⅱ、京都文化フィールド演習、京都文化特論Ⅱ、京都の伝統工芸、京都の生活文化、きもの学
<科目の詳細はシラバス検索より>

ゼミ活動テーマ

京都の文化を支えるものづくりがテーマの柱です。現在、北野天満宮の瑞饋祭に参加させていただき学びを深めています。そして北野天満宮からいただいた課題「古儀北野祭の復興(応仁の乱で途絶えた北野祭の復興)」に向けて、学術研究のスタンスをもって、様々な角度から取り組んでいます。

学生へのメッセージ

知りたい。知ることで世界が変わる。今も実感しています。授業は目先の単位をとるためのものではありません。知識の修得もさることながら、社会で仕事を通して自己実現するためのスキルをアップさせるものなのです。私自身、職人の道に入りましたが、大学では文学を学び50歳になってから大学院で工学的な研究もしました。おかげで伝統工芸士として初の博士号を頂戴し、こうして皆さんと一緒に、また学べる機会をいただきワクワクの毎日です。

『一歩前へ』

今の自分から、一歩前へ。そんな思いで日々を積み重ねていきたいと思っています。いつか「かえる」。幼少期を病弱で過ごし、小学校一杯もたないだろうといわれていた私には、子供の頃からその思いが染み付いていて、近頃その字が間違いなく「還る」という字だと確信するようになりました。何をもって還るのか。何をもって生きたとするのか。今の自分から、一歩前へ。そう願っています。

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