教員紹介久米 裕子

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久米 裕子KUME HIROKO

文化学部 国際文化学科 教授

学位
修士(文学) 大阪大学
専門分野
中国思想

プロフィール

子供の頃、二年間、ドイツで暮らしていました。ヨーロッパの様々な文化に触れる中、西洋的なものの見方・考え方に対して、子供ながら漠然とした違和感を覚えました。そして、大学では、自分が生まれ育った日本の文化について学びたいと考えるようになりました。ところが、大学入学後、中国学の講義で「日本の文化を知るには、まず中国の文化を知る必要がある」と言われ、この一言で中国学の道に進むことを決め、現在に至っています。

研究テーマ

「経書解釈の歴史的展開」
中国伝統文化の中心は儒教であり、儒教は現在の中国人のものの見方・考え方とも密接に関わっています。儒教の経典である「経書」は、中国において二千年にもわたって読み継がれ、さらには日本を含む東北アジア全域で読まれました。「経書」の解釈は時代によって異なり、各時代の世相をあらわしています。私は主に朱子学成立以降、その解釈がのちの中国ひいては日本においてどのように移り変わっていったかを研究しています。

研究活動・教育活動

「中井履軒の天文学とその背景」、『懐徳堂知識人の学問と生』、和泉書院、2004年(平成16年)
「中井履軒の『論語』註釈」、『懐徳堂研究』、汲古書院、2007年(平成19年)
「元代の思想」、『概説 中国思想史』、ミネルヴァ書房、2010年(平成22年)
「白川学における〈訓〉」、『入門講座 白川静の世界2 文学』、平凡社、2010年(平成22年)
「寧波の土地の記憶:南宋末の思想家,黄震の足跡」『京都産業大学論集 人文科学系列』第45号, 京都産業大学、2012年(平成24年)
「『朱子語類』—— 朱熹の教え」、『教養としての中国古典』、ミネルヴァ書房、2018年(平成30年)

担当科目

入門セミナー、文化学部の学びとキャリア、中国文化講読Ⅱ・Ⅲ、中国の歴史と文化、思想文化特論Ⅱ、思想文化特論、国際文化基礎演習、思想文化演習Ⅰ・Ⅱ
<科目の詳細はシラバス検索より>

ゼミ活動テーマ

国際文化基礎演習:「「当たり前」を疑う」をテーマに、「質問づくり」を通じて批判的思考を養い、それをレポート作成等に活かしていきます。2年生のゼミでは、レポートの書き方・プレゼンテーションの仕方の基本を身につけることをめざします。

国際文化演習Ⅰ・Ⅱ:「中国の「ものの見方・考え方」について知る」をテーマに、中国思想に関する基礎的知識を身につけ、各自の研究テーマを深めていきます。3~4年生のゼミでは、4年間の学びの集大成として、卒業レポートを完成させることをめざします。

学生へのメッセージ

「中国思想」というと堅苦しく聞こえますが、要は中国人のものの見方・考え方についての研究をしています。似ているようで異なる日本人と中国人、その違いを知ることで日本人のものの見方・考え方がより明解にわかることがあります。また、中国は日本にとって永遠の隣人であり、今後もお互いに無関係ではいられません。中国に対する好き嫌いの感情は一旦脇に置いて、まずはこの隣人のものの見方・考え方について「知る」ことから始めてみてはどうでしょう。

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