平成27年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

  • 春学期調査での「プレップセミナー」「AL(アクティブ・ラーニング)科目」の両方において、1回あたりの準備学習が1時間を越えているとした回答者が半数以上であり(プレップ55%程度、AL60%程度)、主体的に学習したと解答した者もプレップで60%程度、ALで75%程度と、多くなっている。AL重視のカリキュラム改革を通じて、主体的な学習態度の形成を促すという所期の目的を、ある程度は達成できていると評価できる。「成長の実感」についても、学部の全科目平均よりも「プレップセミナー」と「AL科目」でスコアが良く、とくに、AL科目では実におよそ8割が「強くそう思う」「そう思う」と答えている。AL重点化の方向性を、今後も進めていくべきだと思われる。
  • 春学期調査において「プレップセミナー」受講生に聞いた項目、「法学部の学びについてのイメージをもつことができた」「自分の将来について考える機会を持つことができた」の2つについて、「強くそう思う」「そう思う」と答えた者が両方の設問で7割近くを占めており、この科目の目的についてもある程度は達成できていると評価できる。
  • 秋学期調査での「講義科目」においては、「科目での学びに面白さを感じた」、「この科目に満足している」と回答した受講生が6割超(出席率80%以上では7割)を占めているのに対して、「自らの成長を実感することができた」とする者が5割程度に留まっているし、「主体的に学習した」とする者も4割を切っている。主体的な学習態度と成長実感については、AL科目の波及効果とともに、なお改善の余地があると思われる。

2. 「公開授業&ワークショップ」についての報告 

(1)参加人数

  1. 「公開授業」:「法政策基礎リサーチ」7名、「法教育演習I」8名
  2. 「ワークショップ」:「法政策基礎リサーチ」2名、「法教育演習I」7名

(2)ワークショップでの意見交換内容

  • 「法政策基礎リサーチ」についてのワークショップ:この科目は初年時アクティブ・ラーニング科目であり、とくに1回生のうちに学習に向けた積極的な態度形成について、効果があると思われる。引き続き、教員とSAとの協働を通じた、レクチャーとグループワークの組み合わせによる授業展開について、改善を図りたいということが意見交換された。
  • 「法教育演習I」についてのワークショップ:授業参観者もアイスブレイキングや観察ワークに参加したことで、受講生を観察・フィードバックをする際に気をつけるべき点などについて考えることができた。また、ワークショップでの議論を通じて、これらの点について共有ができたと思われる。学内の複数部門による連携での科目運営には、違った視点から授業構成や受講生の傾向などについて見て考える機会になるなどの点で、意味があると思われる。
  • 2回のワークショップに共通の部分:2つの科目はともにSAが参画している点が共通した特徴である。SAの参画を通した授業改善についての建設的な議論が多く、学部における初年次教育やアクティブ・ラーニング科目のあり方を考える有意義な機会となった。

(3)法学部での独自の取り組み

九州国際大学法学部の3人の先生方を報告者・パネリストとしてお迎えして、下記の概要で、FDセッションが開催された。

日時:平成28年3月7日 10:30-16:15
場所:京都産業大学4号館4H演習室
参加者:のべ約30名

「ジェネリック・スキル」の習得と「アクティブ・ラーニング」を中心テーマにした3つのセッションでは、2つの法学部における具体的な科目を取り上げ、カリキュラムにおける科目の位置づけ、授業構成の工夫、評価のあり方や方法などについて、突っ込んだ質疑応答や意見交換、そして改善に向けての議論が行われた。

  • セッション1:法学部の目標人材と法学教育のレリバンス
    九国大 林田幸広准教授 X 京産大 中谷 真憲教授
  • セッション2:法学部導入教育におけるアクティブ・ラーニング
    九国大 菅尾暁准教授 X 京産大 増井敦准教授
  • セッション3:アクティブ・ラーニングと評価
    九国大 山本啓一教授 X 京産大 久保秀雄准教授

3. 総括

(1)1. と2. において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

  • 「プレップセミナー」を含めて、AL科目においては、主体的な学習態度や学習習慣のスコアが良い。さらに、成長の実感についても同様の傾向が見られる。AL重点化の方向性を、今後も進めていくべきだと思われる。
  • 「プレップセミナー」と「法政策基礎リサーチ」は、ともにSAが参画するAL科目である。SAは受講生に対する支援だけでなく、授業改善についてもSAの参画は有用であると思われる。こうした取り組みは、引き続き改善を進めていくべきであろう。

(2)1. と2. において確認された改善すべき点

講義科目における、「科目での学びに面白さを感じた」「この科目に満足している」についての受講生評価と、「自らの成長を実感することができた」「主体的に学習した」とする受講生の自己評価とのギャップは、なお改善の余地があると思われる。

4. 次年度に向けての取り組み

今年度から導入したカリキュラムにおける方向性である、AL科目を充実させることを通じて、学生がより主体的・意欲的に、法学部の科目に取り組むことができるようすることを目指す。そのため、AL科目についてその教育効果を継続的に把握していく。具体的には、引き続き春学期では「プレップセミナー」を中心に、秋学期には(主体的な学習ができるようになっているかについて知るために)「講義科目」を中心に調査を行い、基礎的なデータの収集をしていく。
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