令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「重点テーマ」

重点テーマ・目的・期待する効果等

(1)テーマ

  1. 情報理工学部の教育カリキュラムの有効性の状況把握
    (コース制は機能しているか?ドロップアウト学生は減少したか?)
  2. 情報理工学部での「プロジェクト演習」の教育効果の検証
    (コース制との関連)
  3. 情報理工学特別研究Iの研究室配属にコース制が有効に機能しているかどうかのチェック
  4. 修学支援(寺子屋)の効果的運用の検討
  5. 新型コロナウィルス対応に伴う効果的なオンライン授業の運用の検討

(2)目的

令和2年度は情報理工学部の一期生が3年次に進級し、コンピュータ理工学部の在学生と混在する年度である。テーマ1〜3は学部の移行を効果的に行うために実施する。

  1. 情報理工学部の一期生が、特別研究Ⅱを除く全ての専門科目を履修する。この機会に、コースの選択と卒業要件科目の履修が計画的に実行されていることを確認する。また、大学で勉学からドロップアウトする学生が、コンピュータ理工学部での状況と比べてどのように変化しているのかを確認する。これらの結果を検討し、学部の教育カリキュラムの有効性の状況を把握することに努める。
  2. 3年次の春学期に履修するプロジェクト演習は、コンピュータ理工学部において、秋学期から開始する特別研究Iの予行練習という意味合いを持たせていた。一方、情報理工学部の学生は1年次の秋学期にコースを選択しており、学生が選択するコースとプロジェクト演習および特別研究との接続性が重要になってくる。一つの懸念は、学生が配属されたプロジェクト演習で実施する実習プログラグラムの内容が、選択したコースの状況と著しく乖離するような事態が発生することである。これを想定して、具体的な実施方法の細部を検討することと、プロジェクト演習履修後の振り返りを行う。
  3. 3年次の秋学期に研究室への配属が行われる。研究室への配属においても、コース制が有効に機能していることは、情報理工学部のカリキュラムを完結させる上で重要である。現在、研究室ごとにコースとの関連性を点数化し、それを考慮した配属方法を検討中である。これについても具体的な実施方法の細部を詰めることと、配属後の振り返りが必要である。
    テーマ4と5は比較的独自性が高いものであるが、このタイミングで実施したい課題である。
  4. コンピュータ理工学部開設時から修学支援の一環として、寺子屋の制度を運用してきた。過去においては、数学、学生実験、プロ演、研究室配属などに関して多くの相談の場として機能していた。しかし、昨年度になって利用者が激減した。昨年度実施したワークショップにおいて、改善策として、a) 例年、閑散期・繁忙期があるようなので、それに合わせた効率的な人員(アルバイト学生)の配置になるように工夫する、b) 演習科目など「開講科目」のそれぞれに紐付いた「支援」をする方が有効性が高いように思われるので、寺子屋と各科目のTAとの連携を深める方向で運営方法を修正するのが良いのではないか、などの提案があった。令和2年度は、これらの案の詳細を検討し、具体化する計画である。
  5. 令和2年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、学年暦などに大幅な変更があり、本計画書作成時点では未確定なことも多いが、事前に効果的なオンライン授業の運用方法を検討することは意義がある。本学においては、moodleというオンライン学習管理システムが利用されている。Moodleは通常の対面授業を補うシステムとして有効に活用されている。一方、映像配信やリアルタイムでの双方向性機能が乏しいため、オンライン学習での利用には不十分との意見もある。この機会に、情報理工学部が運用している講義収録システムLecRecや、Web会議システムzoom、リアルタイム映像配信サービスYouTubeライブなどの手段を効果的に授業に用いる方法やノウハウを検討する計画である。

(3)期待する効果

  1. 新学部の学生層およびコース制の導入による変化(利点、欠点)を把握して、今後の学部カリキュラムの改善および問題の防止に役立てることができる。
  2. コース制という専門分野を意識させる教育システムと、多様なテーマ、多様な教育方針が混在している現行のプロジェクト演習との効果的な組み合わせを検証することで、学部カリキュムラムの改善につなげることができる。
  3. 情報理工学部の目標であるコースの修得と、配属される研究室での目標である特別研究の完成を、高い水準で両立させることが期待できる。
  4. 修学支援の一つの仕組みである寺子屋を、利用の実情を考慮した運営方法に改善することで、利用率と効果を向上させることを期待している。
  5. ほとんどの教員はオンライン学習を主とする授業を担当したことがない。このような実情において、効果的で無理のないオンライン学習の運営が可能になることを期待している。
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