横田 智子(旧姓 宮崎)さん

略歴

1991年 群馬県渋川女子高等学校を卒業
1996年 外国語学部言語学科イタリア語専修卒業 旅行会社入社
2000年 日本の留学生斡旋会社の現地係員としてフィレンツェに赴任
2002年 (有)バッキーノ入社、フィレンツェ駐在員になる
2006年 (株)バッキーノの取締役として現在に至る
(2007年12月現在)
フィレンツェパノラマ
(ミケランジェロ広場から見たフィレンツェ)
フィレンツェに住むようになってあっという間に7年が経ち、現在8年目に入っています。
「出来の悪い生徒だったのに、なんでイタリアにいるんだ?」と先生方は思われているかもしれませんね。
でも、夢を諦めず、追いかけ続け、転機を上手く利用した結果が今なんだと思っています。

私とイタリア語との出会いは、浪人生活をしていた時でした。小学生の卒業文章で書いた「将来の夢」は「通訳になること」。 その時は外国語=英語しか考えておらず、英語を一生懸命勉強し自分としても好きな教科でした。でも、最初の大学受験は惨敗。
ぶどう畑(キャンテ地方の秋の風景)
浪人中に、ふと「今更英語の通訳なんて言っても帰国子女はたくさんいるし、留学をしている人達もたくさんいる。英語はみんながある程度分かる言語だからそれを極めるのは私には無理。」と思い、「だったら大好きなトマトスパゲッティの国の言葉・イタリア語を学ぼう。発音も簡単そうだし!」と考えを変えたのがイタリア語との出会いでした。
自分で笑ってしまうくらい、最初はとても安易な考えでした。でも、これが私にとって最初の転機だったのです。 私立でイタリア語が勉強できる大学、しかも私の憧れの町・京都にある大学。そこで登場したのが、京都産業大学。「一度きりしかない人生、自分の住みたい所に住んでみたい!」と1つの夢が実現されたわけです。
大げさかもしれませんが、これは私の人生を決めた素晴らしい出会いだったと思っています。
合格通知を受け取った時と初めて京都産業大学の生徒として敷地に足を踏み入れた時の喜びは今でも心に残っています。
こう書くと、さぞかし大学時代に勉強をしたように思われてしまいますね。

自由な校風、心温かい先生方、いい仲間達は私に最高の4年間を与えてくれましたが、学生本来の「勉学」よりは「社会勉強、経験」へとエネルギーは注がれ、クラスでも下位を争う「出来の悪い生徒」として4年間を過ごしたような気がします。
今思うと、大学の4年間は知識を持った先生方から専門的なことを教えて頂けるとても貴重な時間なんですよね。
「学ぼう」と思えば、先生方がいらっしゃり、立派な図書館があり、時間もある。
一度社会に出てしまうと、「学ぶ」時間がなかなか取り難くなってしまうことに後から気が付きました。

出来が悪いながらも常に「イタリア語」は私の中にあり、卒業後は東京の旅行会社へ就職しヨーロッパを担当しました。
仕事でイタリアへ行った際には、片言ながらイタリア語を話し更にイタリアへの思いを深めていきました。
思いが深まり「仕事を辞めてイタリアへ留学したい。」と思った矢先に、就職雑誌で見つけた「フィレンツェで働ける仕事」。たった1名の募集にかなり多くの人達が集まり、結果私は1番にはなれずに敢え無く2番。でも2度目の大きな転機はここで起こりました。1番でパスした人がその仕事を辞退したのです。急に舞い込んで来た「フィレンツェ行き」の話に、出発が3週間弱後だったにも関わらず、引越しの準備をしスーツケース1つで成田空港から飛び立ったのが2000年でした。
現在は、フィレンツェで知り合った主人が経営する(株)バッキーノが運営する「イタリア情報サイト ペルバッコ」を通して個人旅行、企業、出版関係、ウエディングなどの通訳やコーディネイト業をしています。
大好きなイタリアの良さを一人でも多くの方に知って欲しい、様々な思いで遠い日本からやってくる方にイタリアで満足いくような時間を過ごして欲しいという気持ちで業務を行っています。
お客様の満足、それは同時に自分達の満足として残るのでとてもやりがいのある仕事です。

こちらでは、私は「外国人」なので日本のようにいろいろな事がスムーズにいかず、イライラすること、「イタリアなんて!」と怒りを覚えることも多々ありますが、好きなんですこの国が。
まだまだ仕事の面でもその他の事でも、こちらでやりたい事がたくさんあるので、7年前に「イタリア行き」の夢が叶った時の喜びを常に胸にまだしばらくこの地で頑張っていこうと思っています。

最後に、イタリアにいる京産大の先輩や後輩は意外とおり、更にイタリア関係の仕事をしていると必ずどこかでイタリア語のOGやOBに出会います。
それぞれ「イタリア」への思いを持ち続け、卒業後も各分野で活躍しているOGやOBに会うと「私も頑張ろう」と思うと同時に京産大で学んだことを誇りに思います。

これを読んで下さっている皆さんも、自分の夢に向かい、京産大で学んだことが誇りに思えるよう、「今」を大切にして下さい。
そして、あらゆる場面で起りえる「出会い」も大切にして下さい。
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