在学留学体験レポート 堀田 和真さん(交換留学)

留学期間 国名 留学先大学名 留学の種別
2018年2月20日から
2018年12月31日まで
韓国 建国大学 交換留学

私が韓国を留学先として選んだ理由は英語だけでなく他の言語も身に付けたいという思いがあったからです。「英語学科の学生なのだから英語圏に留学に行くべき」という思いは入学前の私にもありました。ですが入学前のオリエンテーションの際にMatthew先生から聞いた「非英語圏への英語留学」の説明に良い意味で大きなショックを受けました。

皆さんは「非英語圏への英語留学」と聞いてどのようなイメージが湧きますか。「非英語圏に行っても日本で英語を学ぶことと変わらない。」「英語も現地語も中途半端になりそう。」私は留学先を最終決定する時にこの二つのイメージが湧いてきてしまい、韓国に行くのを迷いました。ですが結果から言うとこの二つのイメージは単なるイメージに過ぎませんでした。

私が学んでいたKonkuk Universityは英語での教育にも力を入れており、多くの科目が英語で開講されていました。そしてそれらの講義では英語が得意な現地人学生だけでなく、様々な国から集まってきた交換留学生とともに授業を受け、様々な文化圏からの友人ができました。また、韓国の大学の講義の特徴として発表や討論を行う機会が多く設けられていたため、英語を「聞く」だけでなく英語を「話す」、英語で「考える」というスキルが身につきました。

英語と現地語の同時学習については実際に留学にいてから、多くの壁に突き当たりました。と言うのも、私自身、一年次生で韓国朝鮮語を第二外国語で学んでいたにも関わらず、実際に現地に行ってみると韓国語を話すどころか、周りが言っていることを一つも理解できませんでした。学校生活は基本的に英語でなんとかなりましたが学校から一歩出ると韓国語の世界。しかも私たち日本人はアジアの中でも韓国に近く、外見も似ているため町の人々は韓国語で私に話しかけてきました。最初は自分の韓国語の出来なさに失望して韓国語から逃げたいと思う時もありましたが、一年間生きていくために現地で知り合った日本人の友人や現地の学生に助けられながら徐々に韓国語を習得していくことができ、ほとんどゼロからのスタートであった私の韓国語能力ですが、最終的には英語と変わらないほどまで上達させることができました。

また、言語能力や学習面以外でも多くの経験をさせていただくことができ、非常に充実し、自分の人生に大きな影響を与えてくれた一年間になりました。この一年間での一番大きな経験は留学先の大学の国際センターでの言語教育インターンシップです。韓国では日本への進学や就職がブームとなっており、それに伴って日本語を習得したいと考える学生が多くいます。そこで私はそのような学生に対して日本語を教えるボランティア活動を行いました。その中で自分の母語への知識の無さや日本語の文法の複雑さ、自分の方言の強さなどに気づき、自分が嫌になった時もありましたが、熱心に日本語を学んでいる韓国人学生を見て「自分も頑張らねば」という感情が湧いてきて三ヶ月間のインターンシップを無事修了することができました。授業内では語学だけでなく日本の文化などにも触れ、授業終わりに学生と一緒に日本人が営んでいる日本食店に行き、実際に日本の食文化に触れてもらうという活動もできました。

もう一つの大きな経験は、二学期目に留学先の大学で韓国人学生とともに、バディ学生として新規の交換留学生の就学サポートを行ったことです。なぜ留学生が留学生のサポートを行うのか、と思われる方もいるかもしれませんが「外国人」だから分かる留学生へのサポートがあります。様々な国から来た留学生たちは韓国の文化や大学のシステムなどへの疑問があると思いますが、韓国人学生に聞いても「そういうもの」という扱いになってしまいがちです。しかし既に一学期を韓国で過ごした私であれば外国人ならではの質問に「外国人」という視点から説明ができるのです。主な活動は韓国人学生の企画に沿って行われましたが、外国人であるという私の立場を活かして韓国人学生をサポートすることができ、良い経験となったと同時に外国人へのサポートの難しさについても認識することができました、

私はKonkuk Universityを選んで本当に良かったと思っています。上記の経験以外にも、他の国や大学ではできないで経験を与えてもらいました。英語をメインで学び、韓国語も習得したかった私にとってKonkuk Universityは自分のやりたいことができる場所でしたが、Konkuk Universityの交換留学は韓国の中でも少し変わっているプログラムであり、交換留学生向けの韓国語の語学授業は週に一コマしか開講されていないため、韓国語をメインで学びたいと考えている方には向かないかもしれません。

最後に、非英語圏への英語留学を考えてみてください。英語圏と比べて非英語圏への留学費用は安く、特にアジアは日本にいる時とそれほど変わらない費用で留学することができます。最初は英語圏留学を考えていましたが、英語圏でなくても英語を使う機会をたくさん作れ、様々な文化を交わることができました。もし留学に行かれる方は勉強だけでなく、課外活動など、与えられた機会を有効に活用して、有意義な留学生活を過ごしてください。

フィールドトリップに行った際に韓国人バディ学生と一緒に
日本語教育インターンシップの修了証
200人近い交換留学生と一緒に
インターナショナルフェアにて
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