在学留学体験レポート 藤岡 高史さん(交換留学)

留学期間 国名 留学先大学名 留学の種別
2015年8月13日から
2016年5月23日まで
アメリカ合衆国 ストーニーブルック大学 交換留学
「留学」というのは、僕の大学生活の大きな目標の一つであり、最後の砦のように思っていました。

留学に行く前の自分は、元々英語ができていたわけでもなく、他国の文化に詳しいわけでもなく、不安しかありませんでした。それもあってか最初の3ヶ月は正直かなり苦しい経験をしました。3ヶ月毎に成長を感じるということを周りから聞いていましたが、実際は3ヶ月経ってもほとんど成長を感じることはなく、焦り・悩みが募りました。一方で、「人種のるつぼ」と呼ばれるニューヨークなだけあって、本当に様々な人種の人たち・文化に関わることができました。新たな出会いというのは自分にとって、苦しい中でも背中を押してくれるような存在でした。そうしてたくさんの人と関わり、英語は会話のツールであると認識するようになったことで、不安は払拭され、英語を話すことに対するプレッシャーを感じなくなるようになりました。その瞬間が初めて成長を感じた瞬間でもありました。

セメスターの期間中(約8ヶ月)は寮で生活しましたが、ルームメイトに恵まれ、同世代ぐらいの友達も増えました。各寮に1台はビリヤード台があり、日本にいた頃の自分では考えられないようなことですが、暇な時は知らない人たちに混ざって遊ぶこともありました。留学中は、自分が思うことはできる限り言葉にして表現していこうと思っていたので、自然にフレンドリーな自分になることができました。帰国した今にもその経験は活きていると思っています。

しかし、もちろんいい経験だけではありませんでした。アメリカでは、地域によっては人種差別が根深く残っており、黒人差別はもちろんのこと、人種によって差別する人もたくさん見てきました。寮で中国人グループのことを差別する人がいれば、寮内ではありませんが、実際に自分も受けたこともありました。留学ではホームステイというケースが多い中、ネイティブのアメリカ人はもちろんのこと、様々な国から集まった見知らぬ人達と寮で生活をできたことは大きな経験になったと思います。

留学後半のセメスターでは学部授業を一つ履修しました。興味のある授業は席が空いていなかったので、せっかくなら少人数のクラスで発言の機会が多い授業をと思い履修しました。授業は、ドイツ人の先生に生徒が合計9人、自分以外全員がネイティブのアメリカ人という環境で受講していました。想像以上に大変ではありましたが、学部授業をアメリカの大学でアメリカの大学生に混じり授業を受け、最後まで終えたことは様々な面で大きな自信にもつながりました。

留学の終盤には、日本に帰りたくないと思うほど楽しむことができていましたし、留学を終えた今は、留学中の一つ一つの出会いに心から感謝しています。ここでいう出会いは、身をもって学んだ未だになくなることのない事実、この目で見てきた全ての新たな発見・気づきのことでもあります。改めて世界にはたくさんの人がいて、一人一人考え方が違って、でもそれは悪いことではなくて、だからこそお互いが刺激し合えるのだと学びました。人生のこの時期にそれらを経験できたことは、これからに大きく左右するのだろうと確信しています。多くの新たな経験で人間的にも変わることができましたし、最後の砦に感じていたこの「留学」は、むしろ新たなスタートだったのではないかと感じています。

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