休学留学体験レポート 栗田 崚平さん

私は休学して南米大陸を回ってきました。これはその報告です。

留学 南米大陸
留学種別 休学留学(自由旅行
留学期間 約120日間

2015年の3月3日から7月2日の約120日間で南米大陸を一周しました。ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ、コロンビア、エクアドルの合計10か国、バックパックを背負って、一人で旅行しました。かかった費用は航空券、海外保険、現地での生活費などすべて含めて、50万円ほどでした。ブラジルへ入国する場合のみ、ビザが必要なので、隣国のパラグアイで取得しました。日本で取得するより、かなり簡単に取得できます。費用は抑えた方ですが、かなりかかってしまいました。しかし、お金では決して買うことのできない、素晴らしい体験をすることができたと思っています。。

留学ではなく、こういう形で海外渡航をした理由はたくさんありますが、一言でいえば自分にしかできない経験がしたかったからです。語学や学問の勉強は国内でたくさん出来ます。そういった勉強ではなくて、外の世界では何が起きていて、どういう人たちがどういう暮らしをしているのか。実際に自分の目で見て、肌で感じたいと思い、さらに昔から憧れていた、アマゾン河やギアナ高地といった大自然を持つ南アメリカへ行く決意をしました。

現地では、毎日格安のユースホステルに泊まって、自炊もしていました。市場に出て、肉や野菜を買って、宿のキッチンでご飯を作っていました。宿は基本的に相部屋なので、たくさんの外国人や現地の友人ができました。英語やスペイン語をずっと使うので、言語を生活という形で学べたと思っています。(現地の人はスペイン語しか話せません。)しかし、自分にとって大事だったことは言語の勉強ではありません。目的地を自分自身で決めて、そこへ向かうために試行錯誤し、厳しい経験をすることでした。

もちろん、マチュピチュ、ウユニ塩湖、アマゾン河、ロライマ山、エンジェルフォールなど、たくさん観光もしました。しかし、そこへは自分の力で行く以外に選択肢はないのです。見ず知らずの土地に、母国語でない言語が行き交う環境で、どこに泊まればいいのか、食事や洗濯はどうすればいいのか、バスにはどうやって乗るのか、どういうルートで行けば安全に目的地まで行くことができるのか。簡単なようでとても難しいことです。自分で考えなければいけません。異国の文化に触れつつ、自分の目的地を目指すという過程にはたくさん学べることがあります。それは語学や学問などとは異なる、学校では勉強できないものです。誰も助けてくれない、頼れるのは自分だけという状況で、生きて帰らなくてはいけません。この状況は自分自身が成長する絶好の機会だと思います。自分自身で深く考えて、物事を捉えて、行動に移します。自分の心から見たいと思う景色のために、必死にその目的地を目指すのです。

先ほど、誰も助けてくれないと言いましたが、時には、まったく知らない人が助けてくれることもあります。道に迷っていると、目的地まで車で連れて行ってくれたり、自分の家に招待してくれて、おいしい料理をごちそうしてくれたりします。ただし、犯罪に巻き込まれる可能性も十分ありえるので、すぐ人を信用してしまうことはあまりいいことではありませんが、初めて会った見ず知らずの外国人にこんなに親切にしてくれる人がいるのかと、心から感動した覚えがあります。それは南米が持つ大自然を目にしたときと同じような感動でした。

たくさん、いいことを書きましたが、悪いこともたくさんありました。携帯やお金を取られたり、偽物の警察官に捕まったり、本物の警察官に賄賂を要求されたりしました。僕はそういった経験も、こういうスタイルの旅には必要なものだと前向きにとらえています。現在、多くの南米諸国では危険情報や渡航の是非を検討するような勧告が出ています。誰でも気軽に行けるような場所ではありませんが、南米諸国に限らず、一人で国外へ出ることをお勧めします。ただし、細心の注意が必要です。助言してくれる人の意見や外務省からの情報は必要不可欠です。日本から一歩出ると、自分が持っている価値観や常識は通じません。そういったものを一度、捨ててみて、外の世界を覗いてみてはどうでしょうか。どこの国でも、1週間でも1ヵ月でも大丈夫です。きっと机の上では勉強できないようなことを学ぶことができます。

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