留学体験記がとどきました(田村 和美さんノースカロライナ州立大学

私は大学3年次生の秋からアメリカのノースカロライナ州立大学グリーンズボロ校(The University of North Carolina at Greensboro,UNCG)に約9か月間交換留学生として学んでいました。この留学を通じて語学力が向上し、また勉強だけではなく、1人の人間としても成長できたと感じています。
今回この場所を借りて長期留学を決意した理由、留学中に学んだこと、また留学後の変化についてお話ししたいと思います。

英語圏長期留学という決意

私が所属するヨーロッパ言語学科メディア・コミュニケーション専攻では、ヨーロッパ言語の中から自身が学びたい言語を1つ選んで2年間履修します。私はフランス語を履修しましたが、長期の留学を考えた時に英語圏への留学を選択することにしました。その理由として、英語は国際共通語であることです。高校時、ニュージーランドに短期留学をしましたが、その時に、言語の壁で思うようにいかなかった経験や自分の未熟さ故に、中途半端に終わってしまった留学。今度は満足のいくものにしたいという思いもありました。また、メディア・コミュニケーション専攻の授業の中で国際ジャーナリズム論に関心があり、アメリカ側のマス・メディアの視点を学ぶことにも興味がありました。

留学中での学び

留学中は語学学校ではなく、UNCGの交換留学生として学部の授業を受講しました。私の場合、留学前に取得したIELTS のスコアが学部レベルに達していなかったため、Cultural exchange program という留学生向けのレベルの科目を推奨されました。しかし、担当の教員に直接連絡をして許可がもらえれば、それ以外の科目も受講することが可能です。前半の学期に留学生向けの授業で基礎を学び、後半で少し発展した科目を取ってみる、自身の専攻を学んでみるという形も良いと思います。
私の場合、秋学期(アメリカのセメスターは秋始まり)はメディア系の授業に加え、フランス語を受講しましたが、後半である春学期は日本語の現代諸問題、アメリカの差別と教育、アメリカの社会問題と国際社会との比較などアメリカでしか学べない分野、日本を客観的に学べる教科を受講することにしました。また、授業外では、Global Outreach Programというボランティア活動にも参加していました。これは海外に留学していたUNCGの学生またはUNCGに留学している学生による異文化交流です。主に現地の小学校でプレゼンテーションや折り紙のデモンストレーションなどを実際に行いました。留学先で日本以外の海外の留学生と交流することも大事ですが、勉強以外にも現地の人と交流する事は大切です。
アメリカの小学生は日本の学生に比べ、大統領選や国内の出来事に興味を持ち始めているという印象に加え、他国の文化やその本質にも興味を示し、それを仲間内で議論できる能力があると感じました。

留学後の変化・成長

留学後半から意識して継続したことは、日本で起きている出来事を知ることでした。実家暮らしで親が新聞を購読しているため、電子版を毎日、空いた時間や寝る前に時間を取って読みました。紙面もそのまま電子版で読むことができ、気になった記事を印刷することもできます。海外留学時、どうしても日本の時事情報を把握する事が難しいです。しかし、自分の国を深く理解し、海外において様々な国の人と議論する事は、自分が日本を代表する1人であること、また広い世界の中の一部ということを強く実感させてくれます。
私がメディア・コミュニケーションにおいて大切にしていることがあります。それは「相手を理解し、自分を理解してもらうこと」 です。マス・メディアは国民に伝える権力を持ち、一般国民がたどり着けない場所での取材・報道が可能です。しかし万人全てに満足してもらうことは難しいと思います。だからこそ、常に異なる文化背景や個人を理解するために知識を常に蓄積していくことは必須であり、それと同時に自分自身に対する正しい理解も大事です。客観的に分析し相手にわかりやすく伝える。アメリカという多民族国家での長期留学は、英語力向上以上に学ぶことが多く有意義なものとなりました。
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