ペルージャ留学での経験(仮屋 沙央里さん)

ペルージャの街は小さくて、観光に何日もかかる街ではありません。とはいえ、夏にはウンブリア・ジャズ、秋にはユーロ・チョコレートと、世界中から人が集まる大規模なイベントが開かれます。2015年のウンブリア・ジャズには、何とレディ・ガガもやって来ました! そんなペルージャで、私はのんびりと新しい道を探しながら、よく散歩をしていました。街のあちこちに坂や階段があって移動に苦労しますが、その分景色のきれいな場所がいくつもあります。例えば、大学の横にあるとても長い階段を登り切ると、ベンチが並んでいて、春や秋など気候の良い時に、そこから景色をゆっくり眺めるのはとても気持ち良いです。
街中で印象的なのは、目抜き通りコルソ・ヴァンヌッチ、そしてその東の端にある大広場ピアッツァ・グランデです。大広場にある噴水フォンターナ・マッジョーレの前の階段には、旅行者も街の人もたくさん座ってくつろぎます。歴史地区の中心部だけあって、写真が下手でも、どこにカメラを向けても、ポストカードのような写真が撮れます。
クリスマスには、噴水に面するサン・ロレンツォ教会で、深夜12時からクリスマス礼拝が行われます。 中に備え付けてある椅子だけでは座れないほどの人が集まるのを見て、「やはりキリスト教の国なのだ!」と実感しました。ミサの終盤に、「近くの人と、お祝いのキスを交わしましょう」の掛け声とともに、家族同士は頬にキス、まったく知らない人同士でも向き合って握手を交わします。それまで出会ったことのなかったシチュエーションにとても驚いたとはいえ、キリスト教文化に直に触れた素晴らしい経験でした。
日常生活では、最初の頃は飲んでいなかったエスプレッソが次第に好きになり、お気に入りのカフェに通うようになりました。そのカフェの店員さんとよく雑談をしましたが、その他のお店や、出掛けた先のホテルなどでも、できるだけ店員さんと喋るようにしていました。というのは、イタリアでは少し会話をすると、相手がしっかりと仕事をしてくれて、私も気持ちよくサービスを受けられる気がしたからです。もちろん、学校の先生以外の人とイタリア語で話すことによって、自信にもつながります。 留学には、言葉の壁にはじまり、文化の違い、習慣の違いなど、数えだしたら切りがないほどの不安もあるかもしれません。しかし、きっとこの先どこかで役に立つ何かを経験できるはずです。もし留学できる状況にいて、不安のために行くか行かないか迷っている人は、取りあえず飛び込んでみると良いのではないかと思います。
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