留学体験記が届きました
(早崎 銀平さん ライプチヒ大学)

半年ほど共に学んできた友人たちとのお別れ会。レストランで食事をしました。
私は2017年3月から12月までの10か月間ドイツのライプチヒという都市に語学留学をしました。ライプチヒは、東ドイツのザクセン州に位置し、近郊の都市ではドレスデンや、州は違いますがベルリンなどがあります。
ライプチヒはベルリンやミュンヘンほどの大都市ではなく、人口も多すぎず、少なすぎずといった都市で、街の中心部もそれなりに栄えているため生活するにはかなりいい環境だったという印象でした。
大都市でないため普段の買い物などでの会話は、ドイツ語がよく話され、日常会話の練習にも最適であると感じました。(ベルリンなどに行くと、こちらがドイツ語で話しているにも関わらず、英語で返答されるということが多かったです。)

続いて学習面ですが、私は留学期間中にライプチヒ大学附属語学学校に通っていました。その学校はドイツ国内でも有名な語学学校との評判があり、ほかのクラスメートもその評判を聞きつけ、ライプチヒに来たということでした。
語学学校に通う生徒には、中国人や韓国人、アラビア系の人が多く、それに続いてキプロス人も多かったです。彼らの目的のほとんどがこれからドイツの大学で学びたい、とのことでした。中国人や韓国人はすでに大学での勉強を終え、もう一度ドイツで学ぶつもりの人もいました。驚いたのは、中東諸国からきていたクラスメートたちが18、19歳にも関わらず、単身ドイツに来てこれから大学に入ろうとしていたことでした。彼らは母国での経済状況が悪いなどの理由でドイツに渡り、学費が安く、優れた教育を誇るドイツの大学で学びたいと考えているケースが多く、正直、自分たち日本人とは言語習得にかける思いの強さは全然違うように感じました。会話のテーマとして「なぜドイツにきたのか」という話になることが多いのですが、自分も含め日本人の話す内容は軽いものだなあと感じました。その時日本は恵まれているというかなんというか、何とも言えない感情になりました。

また、ライプチヒ大学にはJapanologie(日本語学科)があるため、日本語を勉強している学生が在籍しています。セメスター期間中にはJapanologie主催のパーティーやイベントが開催され、日本人とライプチヒ大学の学生との交流がありました。そこで知り合った友人とタンデムパートナーになり、空き時間にお互いに会話の練習やわからない部分の復習などをしていました。
日本の学生とは違い、現地の学生は30歳に近い学生も多く、仕事を退職して二度目の学生生活を送っている人や、大学院生としてもう10年ほど日本語を勉強している人もいました。この点は驚きましたが、ドイツの学費の安さや人それぞれの経歴を聞いていると、彼らも堂々としていて、何らおかしいことではありませんでした。
語学コースでハイキングに行った時の写真。各コースごとに遠足などのイベントが1~2つほど組まれています。
ライプチヒといえば、音楽家であるバッハで有名な都市であることから、音楽関係で訪れる日本人も多く、そういった人たちとの出会いも貴重なものだったと感じました。これまで音楽の趣味が一切なかったため、音楽については全く知識がありませんでしたが、彼らと出会い、人生で初めてオペラ鑑賞をしました。その後も何度かオペラハウスを訪れました。学生は割引カードを作ることができたのでオペラを1回10ユーロ(当時のレートでは約1200円)で鑑賞することができました。日本でオペラ鑑賞するとなると1万円近くすると思うので、安くて鑑賞できたのも、最初はオペラに興味のなかった私にとって良かった点でした。ほかにも語学学校のイベントでオーケストラ鑑賞ができたこともいい経験だったと思いました。

他にも、今学期からライプチヒ大学や他都市の大学に入学することができた人たち、これから入学しようとしていた人、そして大学院で勉強中の人など、決して前例の多くない、もしくは前例が無いくらいの珍しい人たちに出会えたことはとても光栄なことで、いい意味で将来のことを考えるときに悩みが増えました。この留学生活が終わり、さまざまな事象に対しての視野が本当に広くなったと感じます。ドイツといえばベルリンやミュンヘン、ケルンなどが有名な都市として挙げられますが、留学するならこういった大都市でないところもいいなと思いました。

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