認定留学から帰国した学生の体験記が届きました
(武田 夕姫さん ウィーン大学)

留学体験記録

私は、2016年度春学期から半年間、認定留学という制度を利用して、オーストリアのウィーン大学に併設されているドイツ語コースで学びました。入学した時から半年以上の留学を考えており、また、南ドイツやオーストリアの文化に興味を持っていたので、留学もどちらかの文化圏に行こうと考えていました。ウィーンを選んだきっかけは、ある授業でウィーンについて学んだ際、実際に行って文化を感じたいと思ったからです。しかし、今まで京都産業大学からオーストリアに留学した例がなかったため、全て一から調べなければなりませんでした。住む場所がなかなか決まらなかったり、入国の際トラブルがあったりしたのですが、留学アドバイザーをはじめとするドイツ語専攻の先生方に助けて頂き、無事半年の留学を終えることが出来ました。
オーストリアは、ドイツと違い、半年間の語学留学であればヴィザを取得する必要がありません。そのため、現地で行わなければならないこともあまりなく、比較的語学留学しやすい土地だとおもいます。また、私は、二年次の夏休みを利用してドイツのGoethe Institut が実施しているドイツ語コースに参加したことがあり、そこの手続きと今回行ったウィーン大学のドイツ語コースの手続きがとても似ていたので、その経験を生かして連絡をとる事が出来ました。住む場所は最初ホームステイを希望していたのですが、なかなか良いところが決まらず、ウィーン大学から勧められたOeADという機関を利用したのですが、短い期間に引っ越しをしなければならなかったり、メールの返信がなかなかこなかったりするので、あまりお勧めはできません。住む所は探すのがとても大変なので、一番余裕を持って探した方がいいかもしれません。私は、住む場所がなかなか決まらなかったこともあり、全ての準備が整ったのが出発の一週間前だったので、なんとか全ての準備が整った時はほっとしました。
今回の留学で一番苦労したことは入国審査です。前述したとおり、日本人はオーストリアに、独自の協定によって半年はヴィザなしで滞在できます。しかしこの協定はあまり周知されていないようで、今回ドイツのフランクフルトを経由してウィーンにいこうと思ったのですが、入国審査で止められてしまいました。なんとかウィーンまでたどり着いたのですが、ウィーンの入国管理官にこの協定を知らない人が多いことにはとても驚きました。ただ、入国は出来たので、なかなか出来ない良い経験が出来たと思います。
ウィーンは、大学をはじめとして多くの歴史的建築物が残っています。また、街を少し歩けば多くの偉人ゆかりの場所を訪れることも出来るので、音楽だけでなく、歴史に興味がある人も訪れてとても興味がわく街だと思います。また、ケーキやコーヒーはもちろん、その他の食文化も日本人に合っているものが多いと感じました。また、本格的なオペラから音大生が行っているコンサートまで幅広い芸術を楽しむことも出来るとても良い町でした。
クラスは、A1-2というレベルのクラスからスタートしました。このクラスのレベルは、日本で既に勉強していたレベルのものだったので内容は難しくなかったのですが、最初の頃は聴き取れずとても苦労しました。クラスメイトはトルコやシリアなど中東から来た人が多く、既に働いている人もいましたが、多くは、今後ウィーン大学に入学を考えている人が受講していました。テロの問題やロシアやアメリカについてなど国ごとに考え方が違い、色々な意見を知ることが出来て、とても勉強になりました。ただ、クラスメイトは英語が堪能な人が多く、ドイツ語で話しかけても英語でもう一度聞き返されたりして、なかなかクラスメイトとドイツ語で話せなかったことは残念でした。また、ドイツ語上達のためにタンデムパートナーを探し、ウィーンの現地の人と話す機会を持てたことは良かったと思います。ウィーンのドイツ語は私が日本で学んだドイツ語と違う面が多く、とても戸惑いましたが、現地でドイツ語を学べたのはとてもいい経験だったと感じています。

また、オーストリアは周りを多くの国に囲まれているため、休暇を利用して色々な国に旅行しました。日本とは違って鉄道で隣国へ行けるのはとても不思議な感覚でした。テレビや雑誌で見たことがある場所でも、実際に訪れると違った発見があり、とても勉強になりました。実際に行かなければ分からないことはたくさんあると実感しました。

今回の留学をとおして、多くの様々な意見を見聞きし、より視野が広がったように思います。海外留学にいくことは日本でのあたりまえが通じないですし、なかなか言葉も通じず苦しいこともありますが、その分多くの発見や経験ができる場でもあるとおもいます。また、オーストリアは、ドイツ語圏ではありますが、ドイツの人とは考え方も違うし、気質も全然違います。それらのことに戸惑うこともあるとおもいますが、一つ一つの発見は日本では味わえない良い経験になると思います。ドイツ語圏はドイツ以外にもスイスやオーストリアがあるので、留学を考えている方は、自分が魅力を感じた街に行って頂けたらと思います。


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