「ドイツ語海外実習レポート」中谷 美友さん

ドイツへ行く前は期待より不安が大きく、3週間も異国の地でやっていける気がしませんでした。最初にドイツに着いたのは現地時間の14時でしたが、12時間のフライトで疲れ切っていました。ライプチヒに着いたのは19時近く、寮に着いたのは20時過ぎだったため、感動のドイツ入り、というよりは、明日も早いから荷物を出して早く寝よう、という気持ちのほうが大きく、そのおかげで不安も薄れていきました。 クラス分けのテストでは、もちろん習っていない単語や文法が多く、今後の授業への不安が高まりました。その後の市内観光でようやく、「今自分はドイツの、ライプチヒにいるんだ」と自覚しました。歩行者用信号の短さ、車の速度、電車の乗り降りの仕方、スーパーのレジでの会計の方法、日本とは何もかもが違うことが、「今自分は日本ではない国にいる」と私に教えてくれました。テストの結果、私はA2のクラスになりました。1月にA1の試験を終わったばかりで結果も帰ってきていないのに、一つ上のA2のクラスでやっていけるかどうか不安になりました。授業はもちろんすべてドイツ語で、電子辞書が手放せないな、と覚悟しましたが、先生はとても優しく、わかりにくいこともわかりやすい簡単なドイツ語で説明してくださいました。おかげで毎日の授業が楽しく、3時間の授業があっという間でした。
2週目にもなると、授業はもちろん、毎日の買い物や寮での暮らしに慣れてきました。私は仲の良い友人がほとんど同じ寮にいたので、毎日楽しく過ごせていました。授業内容は日本で習ったことの復習、A2の予習といったような内容で、最初に感じていた不安も1週目の終わりともなると、全く感じていませんでした。特に日本語にはない、ウムラウトの発音の特訓を重点的にしてくださり、何度か発音を褒めていただきました。ちゃんとしたことは聞き取れませんでしたが、「2週目にもなるとやっぱり発音よくなってくるね!」というようなことを言ってくださったのが、とても嬉しかったです。
課外授業も素晴らしいものばかりでした。特に私はゲヴァントハウスでのコンサートがとても印象に残っています。みんなで新しく靴やJackeを買ってから行きました。みんな普段しない格好でお洒落をして、コンサートを楽しみました。私は昔バレエを習っていたので、クラシックが少し好きで、いつか生の演奏を聞いてみたいと思っていました。席はオーケストラの後ろの席でしたが、それでもオーケストラによる生の演奏は素晴らしいものでした。ヴァイオリンの音がとても柔らかく、心に染み渡るような響きで、とても感動しました。また、課外授業ではありませんが、トーマス教会で聞いたパイプオルガンの演奏も素晴らしいものでした。日本ではなかなか聞くことのできない音楽を生で聴けるということは、音楽の街ライプチヒならではの経験だったと思います。
また、友人が捻挫した際に病院に付き添ったのですが、杖を買うお店の店員の女性がドイツ語しか話せず、英語では会話ができないと言われたときはどうしようかと困りました。今までに習った単語や文法でなんとか会話ができ、無事に杖が購入できた際に ”Danke schön!” と私が言うと、女性も “Bitte schön!” と笑顔で言ってくださったので、お礼を言うことの大切さを改めて知りました。また、私たちがカタコトのドイツ語しか話せなくとも、最後まで一生懸命私たちが言うことを聞き取ってくださり、色々考えてくださったので、ドイツ人の優しさを直に感じることが出来ました。  
授業でもそれ以外でも、初めてのことばかりで、最初は不安だらけの海外実習でしたが、何事にも自分から挑戦していくことの大切さを知りました。怖がっていても誰も何も待ってはくれません。特に異国の地では日本語が通じる相手などほとんどいません。だからこそ、つたないドイツ語でも自分から一生懸命相手に伝えようとすることが大事だと身をもって知りました。最後に行ったプレゼンテーションの後、チューターの一人に「君の発表でのドイツ語は、まるでドイツ人が話してるような綺麗なドイツ語だったよ」と褒められ、先生にも「文章を書くのも、話すのも、何も問題ないよ」と言ってもらえたのが何よりもうれしかったです。この気持ちを忘れず、これからのドイツ語の勉強により一層励んでいきたいと思います。
この写真は予定のなかった3月5日にポツダムのサンスーシー宮殿に行った時の写真です。私の尊敬するフリードリヒ大王の宮殿に行くことは長年の夢だったので、行くことが出来て本当によかったです。 貴重な経験がたくさんでき、本当に今回ドイツへ、ライプチヒへ行ってよかったと思います。留学でも留学でなくとも、是非もう一度行きたいです。
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