「ドイツ人のエコ精神」服部 萌那さん

ドイツがエコロジー先進国であることはよく知られている。今回の留学では3週間という短い期間でありながら、ドイツ人のエコ精神の高さを体感し実感することができた。

まずスーパーなどでレジ袋を見かけないことが日本との大きな違いである。ドイツではエコバッグを持参し、万が一持っていなければ袋を買うというのが普通である。しかもこの場合、売っている袋は丈夫に作られたもので、この先も長く使えるものだ。さらにドイツでは土地ごとにその土地のデザインでエコバッグを作り、人々の生活に役立つエコバッグとして使われているのはもちろんのこと、土産品として観光客にも人気を集めている。私たちがドイツについた際、一番はじめにわたされたものもこのエコバッグであり、実際にもらったエコバッグの必要性を翌日から早速実感した。エコバッグはドイツで生活するうえで欠かせないものである。また、スーパーで驚くのは空になったペットボトルの回収システムである。空になったリサイクル表記のある空になったペットボトルを、ラベルをはがさずに機械の中に通すと、その表記を機械が読み取り画面に値段が表示される。機械から出されたレシートをもって買い物の会計の際にレジで渡すと、レシートに書かれた値段を買い物の合計金額から引いてもらえる。空のペットボトルが買い物の際にお金に変わるのならリサイクルに出そうとするのは当然であるし、それにより環境問題にも自然と貢献できるのだ。日本ではペットボトルのラベルをはずして分別することが主流であるが、もしドイツと同じこの機械とシステムを導入すれば日本のごみ問題に大きく貢献するのではないだろうか。ごみ問題といえば、日本で魚や肉などはトレイやパックに入れる量や数を決めて売られ、トレイやパックはごみになってしまっているのにもかかわらず、私たち日本人はそれらがごみになっていることを当たり前のように気にも留めない。
ドイツで見た光景は日本とは異なり、ガラス越しに所せましと肉やソーセージが並び、また吊るされているのを、客は店員に必要な分だけ計り売ってもらったり、切り売ってもらったりしていた。この売り方ならば無駄なごみが毎回出ることはなく、しかも自分が求めている分だけ買えるので多い少ないと悩む必要もない。精肉店を見ていると日本人がどれほど食材と資源を無駄にしてしまっているかを知り反省することができる。ドイツ人の資源に対する考え方は、町をきれいにする意識へとつながっているようである。この点においてドイツの町中ではなぜかごみ箱が至る所に設置されていることに疑問を抱いた。ごみ箱が数メートルおきに設置され、そのうえどのごみ箱にもたくさんごみが溢れかえっていた。パンや屋台のソーセージなど食べ歩く人が多いことがごみ箱の多さの理由かと推測するが、ごみ箱の多さが町をきれいにすることへつながっているのかは日本に住んでいる身には信じがたいと感じた。
PAGE TOP