海外での日本語教育実習

日本語・コミュニケーション専攻では、専門科目「日本語教育実習」(選択必修)の中で海外での実習を行っています。この実習では、海外の高等教育機関等に約2週間滞在し、日本語を学んでいる学生への日本語教育の現場を経験します。その際、学生自身が授業の内容、進め方を考え、教壇にたって授業を行います。また、授業外では、様々な文化体験や日本語学習者との交流を行います。



【実習実施先】(2017年現在)
・パヤップ大学(タイ・チェンマイ)
・サナタ・ダルマ大学(インドネシア・ジョグジャカルタ)
・北京科技大学(中国・北京)
・全北大学(韓国・全州)

2018年度春学期

実習生の声

坪田 弘紀さん
3年次生 実習先:サナタ・ダルマ(インドネシア)

僕はインドネシアのサナタダルマ大学3クラスとStella duce senior High Schoolの3クラスで教育実習をしました。楽しみの反面、公用語が英語ではないため、インドネシア語を専攻していたとはいえど不安でした。

出発前、世話役のベン先生と連絡を取りながら、実習生3人で授業内容を考えていた時、先生から言われた「自由に楽しいことをやっていいよ」という言葉が不安を和らげてくれました。タイで日本語を教えていた経験があった僕は、その時の反省でもある『体験したことない体験』をしてもらいたいという気持ちがあったため、授業の方法だけでなく文化紹介として体験したことがないものを3人で考えました。

インドネシアに到着し、数日は準備期間だったため、先生とカフェで準備をしたり、近くのデパートや観光地につれて行ってもらったりしてインドネシアの生活に浸っていきました。いざ教壇実習となると緊張しましたが、日本語パートナーズ経験者の先輩や先生にサポートをいただきながらなんとか終えることができました。特に初日は反省が多く、生徒のこれまでの学習経験を考慮し教案を作成していたものの、予想以上にできる子が多く、授業の進行が大きく変わることとなりました。大学も高校の生徒も、遅れている生徒や不安そうにしている生徒を、先生に頼らず助けてあげたり、時には僕たちが困っているときも助けてくれる子がほとんどだったり、回数を重ねていくにつれ、スムーズに授業を終えることができました。授業が終わると、生徒が遊びに誘ってくれ、観光地だけでなくマンゴー狩りや美味しい料理の店など現地の人でないとなかなか知りえないことを体験させてもらいました。実習も終盤に差し掛かり、文化体験として行った屋台風の日本食紹介では、生徒だけでなく先生方にも多く参加していただき、失敗もいくつかあったものの楽しい時間を過ごすことができました。

実習を終え、日本へ帰るときも生徒からメッセージをもらったり、先生と留学生が出発までずっとそばにいてくれたりと、最後の最後まで楽しく別れが名残惜しい実習となりました。この経験を生かし、これからの就職活動に取り組みます。

2017年度秋学期

実習生の声

内川 乃々さん
3年次生 実習先:サナタ・ダルマ(インドネシア)

私は教育実習で、Stella Duce Senior High Schoolの高校1年生の授業でカタカナ練習を担当しました。〈カタカナで自分の名前を書けるようになる〉ということを授業の最終目標にして授業を行いました。日本の文化にも触れてもらおうと思い、日本から持って行った書道を使って、最後にカタカナでそれぞれ自分の名前を書きました。高校の先生とは打ち合わせの時間が直前まで取れず、不安と緊張の中、授業を行いましたが、学生の皆さんが楽しんで授業を受けてくれている姿を見て緊張が解れ、後半は私も楽しんで授業を進めることができました。初めての教壇実習だったので、上手くいかない部分もありましたが、学生の方々が私たちの訪問を暖かく歓迎してくださってとても嬉しかったです。
ジョグジャカルタでの生活はとても快適でした。学生の街として栄えていて、街の人々や学生の皆さんはインドネシア語のわからない私たちに優しく接してくださいました。ジョグジャカルタで初めてインドネシア料理をたべたのですが、とても美味しかったです。
私たちが行った3月は雨季だったので、晴天でも急に天気が変わりスコールが降ることがあります。インドネシアの人々は、雨が降ると雨が止むまで屋根のあるところでじっと待ち、街を歩いている人が居なくなります。いつ止むか分からない雨をじっと待っている様子を見てとても驚きました。生活の中でのんびりとしたおだやかな国民性を感じることができました。
私は、今回の教育実習が初めて行く東南アジアだったので、生活面や言語面での不安が大きかったのですが、私の中で忘れられない経験になりました。3年間大学で学んだことの集大成として、この実習に参加して本当によかったと思いました。

2017年度春学期

2017年8月26日~9月10日の約2週間、専門基幹科目「日本語教育実習」の一環として、インドネシア(サナタ・ダルマ大学)とタイ(パヤップ大学)において、教育実習が実施されました。
実習では、先方の大学の日本語の先生と相談しながら、授業内容の検討、教材・教具等の準備、教壇での授業実践、確認のためのクイズの作成と採点など、日本語教師としての一連の活動を体験しました。また、授業外では、日本語を学ぶ同年代の学生といっしょに遊びに行ったり、近隣の文化施設の見学をしたりしました。
インドネシア・サナタ・ダルマ大学 
タイ・パヤップ大学

実習生の声

山本 夏葵さん
3年次生 実習先:サナタ・ダルマ(インドネシア)

私の専攻語は中国語で、実習に行くことが決まってから半年間〈たのしく学ぶインドネシア語ⅠB〉で最低限のインドネシア語を勉強しただけでした。また、今回他に参加者がおらず、一人で実習に参加することになったので、出発前は不安と緊張でいっぱいでした。

ジョグジャカルタは知らない人であっても、目が合えば微笑み合う習慣があるから、やってみてね。と初日に現地の学生に教えてもらったので、インドネシアにいる間は、なるべく笑って過ごそうと決めました。

大学では、自己紹介や「〜はどこですか?」「〜はいくらですか?」など、高校ではひらがなや基本的な動詞などの初級の内容を現地の先生のサポートのもと、教えました。媒介語が話せない私に出来ること、それは、伝えたい気持ちを強く持つことです。文法説明のスライドでは図や写真を多用して、発音練習では体や顔で音のイメージを伝え、分かってもらうことが出来ました。

楽しかったのは、現地の先生や学習者と観光地に行ったこと、ブティックで民族衣装を買ったこと、美味しいご飯を食べたこと、数え切れません。時間にルーズな人との待ち合わせ、トイレの使い方などはカルチャーショックではありましたが、どれもいい経験となりました。

一人でインドネシアに送り込んでくれた京都産業大学の先生方、家族、暖かく迎え入れてくれたサナタダルマ大学の方々のおかげで成長することが出来ました。心からお礼を申し上げます。

島野 文歌さん
3年次生 実習先:パヤップ大学(タイ)

タイでの教育実習を終えて、私はたくさんのものを得ることができました。それは指導法の知識や日本語の難しさだけではありません。友達が増えたことや英語以外の言語で会話をするおもしろさなど感覚的なものも得ることができました。また、教職をとっている私としては困惑することもありました。日本で授業するということとは違った刺激を受けることができ、日本で授業することへの可能性も考えることができたのでとても充実しました。タイの学生はとても意欲的に勉強に取り組んでいるのをみてとても刺激を受けました。私は東南アジアに行くのが初めてで偏見や英語圏ではないということで言語にも不安がありましたが、行ってみて偏見もなくなったし、英語以外の言語でも対応できることが分かって自分の世界も広がりました。行ってみて、体験してみないとわからないことはとても多いので、挑戦できることは挑戦してみたいなと思えるようになりました。私は日本語教育実習にいけてほんとによかったです。

仲井 まゆ子さん
3年次生 実習先:パヤップ大学(タイ)

今回の実習で初めて日本語がとても難しい言語だと痛感しました。初めは学習者に対する話し方も分からず、言いたいことが上手く伝わらず苦労しました。だんだん「やさしい日本語」で話せるようになり、学習者ともコミュニケーションがとれるようになりました。授業前は夜遅くまで準備をしました。学習者達は、授業中は「先生」として接してくれ、授業外では同じ「大学生」として話したり食事をしたりしました。日本語を教えるという面でも、異文化理解という面でもとても有意義な2週間になりました。

増井 海望さん
3年次生 実習先:パヤップ大学(タイ)

タイの日本語教育実習に参加して、ある程度読み書きのできる大学2年生に授業をしました。牛丼の作り方を題材にして、「〜てから〜します。」を教えました。また、「朝起きて、歯を磨いて、学校に行きます。」のような動作を続けて言う文も教えました。
準備段階では時間も決めて、完璧だと思っていましたが、いざ本番になるとパワーポイントにミスがあったり、生徒が思っていたよりも問題を解くスピードが早く時間があまり少し焦りましたが臨機応変に対応でき自分の能力に気づくこともができました。
タイでの生活は、思っていたよりも快適でした。行く前はタイのイメージはあまりいいものではありませんでしたが、実際には緑が多く綺麗で、食べ物もおいしかったです。時間の流れがゆっくりで日本での焦りや不安などを忘れる事ができました。
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