留学体験レポート 竹中 寧々さん

インドネシア・ダルマプルサダ大学[留学期間:2016年度秋学期]
意味論のプレゼンテーションについて考察中

インドネシアに来て二ヶ月が過ぎました。毎日が刺激的で驚くことばかりです。だんだんと生活にも慣れてきましたが、来たばかりの時は大変でした。
ジャカルタに来てすぐ体調が悪くなり病院へ行ったり、大学での授業が何も決まっていなかったり、言葉が早すぎて聞き取れなかったりとても苦労しました。去年、短期留学として行ったジョグジャカルタはジャカルタに比べて話す言葉はゆっくりで、言葉の壁に当たることがなかったので余計にショックでした。ですがその挫折のおかげでもっとインドネシア語を勉強しようという気持ちにもなり、若者言葉も知ることができました。

私が留学しているダルマプルサダ大学は日本語学科が有名で、毎日いろいろな授業があります。先ほど書いたように、私は授業が決まっていなかったので自分で好きな授業をとることにしました。形態論や意味論、現代日本史などを履修しています。授業はすべてインドネシア語で専門用語がたくさんありすごく難しいですが、日本で勉強したことを思い出しながら授業に臨んでいます。
また、今のところダルマプルサダ大学に日本人留学生は私のみ、インドネシア語の文法などの授業はありません。最初は不安に思いましたが、インドネシアでの日本語教育について専門的に学べるので、ダルマプルサダ大学でよかったと思います。

会話のクラス

私は毎週金曜日に会話の授業の先生をしています。クラスは二つあり、どちらも二年生ですが、レベルが個人で違っているので教えるのが難しいです。私は日本でも模擬授業をしたことがなく、どういう風に教えたらいいかわからなくてほかの日本人の先生の授業の見学をしたりしました。その結果、教え方に正解はなく、自分なりの教え方がそれぞれあるのだと知りました。さらに学んでいる生徒たちは日本のことが好きで勉強しているので、積極的に授業に参加してくれています。帰国するまでに、生徒たちが今よりももっと日本語が話せるように教え方を工夫していきたいと思っています。

授業は朝8時から16時15分まででそのあとはクラブ(日本ではサークル)があります。私は書道クラブと会話クラブに参加しています。想像しているよりみんな日本語が上手で、書道クラブでは漢字の『熊』や『雪達磨』を書いていたり、会話クラブでは日本についての討論をしたりしていました。他にも百人一首が上手だったり、よさこいが踊れたり、日本についていろいろなことに興味を持ってくれているのだと実感しました。

休み時間や休日はよくダルマプルサダ大学の友達と遊んでいます。ジャカルタにはたくさんのショッピングモールがあり、私の住んでいるコス(下宿)の近くにもあります。そこで映画をみたり、買い物をしたりします。大体どこのモールにも日本食があり、吉野家や丸亀製麺が有名で日本より値段が高いのにいつも混んでいます。

大学への交通手段は主にバイクタクシーです。ジャカルタは世界一の渋滞都市と呼ばれるくらいほとんどの人が車やバイクで移動しています。私はよく『grab』や『gojek』を使います。専用のアプリケーションがあり、現在地と目的地を入力すると、自動で近くにいるドライバーへ通知をし、ドライバーが来てくれます。そのあとはバイク(または車)に乗り目的地まで連れて行ってくれます。普通のタクシーと違い距離で値段が決められているので過剰請求をされることもありません。バイクだと車よりもスムーズに渋滞を抜けることができて便利なのですが、まだ合法ではないので危険もあります。そのため常に注意して道のりを確認しています。
また、渋滞している道路で車やバイクなどの間を歩き、飲み物や食べ物を売っている人たちがよくいます。信号のない交差点で交通整備を勝手に行い、小遣い稼ぎをしている人もいます。こういう光景は日本では考えられないので面白いです。

インドネシアの人々は親切な人が多く、日本に興味を持っている人ばかりです。ホームステイから一人暮らしをする時、まだインドネシア語が上手ではない私の代わりに友達がいろいろなところに電話して聞いてくれたり、体調が悪い時は病院についてきてくれました。コスの大家さんは、私が学生だからといって家賃を少し安くしてくれました。バイクタクシーを使ったときは、運転手に「『おしん』って知ってる?」「『おはよう』と『ありがとう』以外の日本語を教えて」など日本についてよく聞かれます。日本について聞かれるたびに、もっと勉強しなければならないと実感します。
残りの留学生活、悔いの残らないように毎日たくさんのことに挑戦し、一人でも多くのインドネシア人に「日本に行ってみたい」と思われるように、自分がここで何をすべきか考えながら過ごしていきたいと思っています。

休み時間
初めて食べるおでんに喜ぶ書道クラブの学生
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