海外での日本語教育実習(2016年度)

2016年度秋学期

2017年3月4日から19日までの約2週間、専門科目「日本語教育実習」の一環で、2名の学生が中国・北京科技大学で実習を行いました。
実習では、日本語の授業見学に加えて、教科書や学習者のニーズの分析に基づく授業の準備、授業での教壇実習、また北京科技大学の先生方から授業に対する評価を受けるなど、貴重な経験をすることができました。
さらに、週末を中心に、日本学科の学生さんとともに時間を過ごし、さまざまな体験をすることができました。

実習生の声

野村 周平さん
3年次生 実習先:北京科技大学(中国)

北京科技大学の教室で初めて学生たちと対面したときのことは今でも忘れられません。
私は3月4日から19日までの約2週間、北京科技大学の教壇に立たせていただきました。最初に驚いたのは彼らの日本語に向き合う姿勢でした。当初私が想像していたより日本語のレベルが高く、また常に一生懸命な姿に感動しました。私は主に文法、会話、作文の授業を担当させていただき、最初の頃は教え方、時間配分などでつまずき学生を困惑させていたと思います。しかし、学生はこんな私を「先生」と呼んでくれて最後の授業が終わった後の「先生のおかげで日本語の勉強が楽しくなりました」「また科技大学に来てください」という学生からの言葉に胸を打たれました。
また、週末は食事や観光を通じて学生から中国の文化を教わることができ、先生と生徒の関係を越えた交流をすることができたと思います。
学生や現地の先生方など多くの人たちのおかげで有意義な2週間となりました。
最初は長いと思っていた2週間という期間も瞬く間に終わり、今では北京科技大学がとても懐かしく思えます。もう一度あの場所に行くことが出来る機会があるならばまた行ってみたいと思います。

大越 竣矢さん
3年次生 実習先:北京科技大学(中国)

今回の実習で改めて、「日本語を話せること」と「日本語を教えられること」が違うということを痛感しました。学生からの質問に答えられなかったり、私の知らない単語を知っていて逆に日本語を教えられることもありました。授業前は毎日が不安でしたが、明るく真面目な学生が多かったので、楽しく授業をすることができました。
この2週間では、日本語を「母語」としてではなく「1つの言語」として考えることができました。その姿勢を忘れず、また教壇に立つことができるように、この経験を活かして今後も頑張ります。

2016年度春学期

2016年9月3日~9月18日の約2週間、専門基幹科目「日本語教育実習」の一環として、インドネシア(サナタ・ダルマ大学)とタイ(パヤップ大学)において、教育実習が実施されました。
サナタ・ダルマ大学(インドネシア) 
パヤップ大学(タイ)
昨今、海外での日本文化(ポップカルチャー、アニメ、マンガ)の人気が火付け役となり、日本語学習者数は現在約400万人を数えます。サナタ・ダルマ大学およびパヤップ大学でも、多くの学生が日本語を学んでいます。日本語・コミュニケーション専攻では、将来日本語教師を目指す学生、海外で活躍したいと考えている学生が、海外での日本語教育の現場に実際に身を置き、日本語・日本文化を教える経験することで、将来への活路を見いだしてほしいと考えています。今年度は、インドネシアに3名、タイに4名の学生が教育実習に赴き、教壇実習を行いました。2週間のプログラムを通し、日本語の面白さ、教えることの難しさを感じ取り、また、「日本」という国を再認識できたことと思います。

実習生の声

杉村 朋美さん
3年次生 実習先:サナタ・ダルマ大学(インドネシア)

日本語教育実習は「もっと日本語の勉強がしたい」と強く感じる実習だったと思います。その理由として最も大きいのは、現地の学習者の存在です。学習者は想像していたよりも日本語のレベルが低く、最初は教え方やコミュニケーション方法などが分からず戸惑いましたが、日本語学習に対しての意識がとても高く、すぐに馴染むことができました。私たちが何気なく話す日本語一つずつにも興味を示してくれていたことや私たちが知らないような日本文化にまでも興味を持ってくれていたことが印象的でした。教える立場で行った実習でしたが、学ぶことばかりでとても有意義な二週間を過ごすことができました。

トウ レイエイさん
3年次生 実習先:パヤップ大学(タイ)

授業で10分ほど初級文型解説の模擬授業を体験しましたが、今回の海外教育実習では90分を使い、導入、文型説明、会話、書く練習、活動などを計画し、本格的に教壇に立って日本語を教えるのは初めてです。授業の組み立て方や事前準備はすごく大変で、悩んでいましたが、事前・中・後に日本から引率された先生、現地の先生、実習生の皆さんがサポートしてくれたので、励みになり、心強く感じました。
文型を分からなかった学生から、“文法を教えていて分かった”という反応や、“日本の文化に興味を持つようになった”、“日本語の勉強、授業が楽しい”といった学生の声が何よりの楽しみでした。また、現地の学生との交流や授業見学は、異文化に直接接する経験なので、その土地の全体の雰囲気や風土を味わうことができます。実習を通して得られる満足感や達成感は、実際に体験してみて初めて理解できるものだと思います。皆さんもぜひ積極的に参加してみてください。
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