令和元年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

1. 「学習成果実感調査」についての分析結果

外国語学部は2019年度から複言語主義を旗印とする新カリキュラムをスタートさせた。これがどのような教育的効果を生み出すのかを継続的に検証し、必要に応じて迅速に対処することを目的として、本学部では、昨年度と同様に、全ての開講科目で学習成果実感調査を実施した。具体的に春学期は、対象となる634科目のうち605科目で実施し(実施率95.43%)、履修者13,408人のうち10,814人が回答した(回答率80.65%)。
この大規模調査の分析は二段階で行った。第一段階はセクションごとで、対象科目を18に分け、カリキュラム委員が分析を行った。この一次分析では、学部平均に対する各セクションの位置を把握したうえで、高く評価できる点、改善を要する点を明らかにした。それに基づいて、第二段階として学部全体の分析を行った結果、幾つかの動向を読み取ることができた。

  • 学部基幹科目および学科基幹科目の数値が全般的に低かった。比較的抽象的な内容の科目が苦戦しているように見受けられる。その対策としては具体的で面白い事例を組み込んでいくことが考えられる。
  • 1年次生対象の基礎演習では出席および学習時間の数値が良好で、1年次生のモチベーションの高さがうかがわれる。一方、3、4年次生対象の研究演習では、学習時間をはじめ、ほとんどの項目で学部平均よりも数値が高い。大局的に見て学部のカリキュラムがうまく機能していると言えるだろう。
  • 平均値には表れない数値のばらつきを指摘するセクションも幾つかあった。全体として高い質のレベルを維持するためには、科目担当者間の意見交換の機会を増やすことや、学生全員に丁寧に授業の内容や目的を説明することが考えられる。
  • 自由記述からは、学生の真面目さが感じられる。また、映像の利用やMoodle等によるリソースの提供に対する評価が高い。学生のニーズに対して、教員が誠意をもって応じていることの証であろう。
  • 非常勤の教員の授業で人気の高いものが幾つかある。それらの見学の機会などを設けることは、学部全体の授業の質向上につながると思われる。

これらの動向について、学部の全ての教員が情報を共有し、十分に問題意識を持ちながら、優れた部分を更に伸ばし、不足した部分を補っていくことが今後の課題である。

2. 「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

    公開授業:
    「英語圏文化論Ⅰ」ギリス フルタカ アマンダ ジョアン 教授
    令和元年6月13日(木)1時限 S302教室 参加教員数11名
  1. ワークショップ:
    令和元年6月19日(水)15:00~16:30 参加教員数32名

ワークショップでの意見交換内容

前半は、公開授業を担当したギリス教授が、科目の概要についてスライドを使いながら解説した。後半は、質疑応答だけでなく、公開授業から浮かび上がってきた問題点である「事前・事後学習のあり方、特に授業外における学習時間」についてグループ・ディスカッションをした後、全体で意見交換を行った。
今年度の公開授業の「英語圏文化論Ⅰ」は、2014年に始まって以来、ギリス教授が工夫を積み重ねてきたもので、内容言語統合型学習(CLIL)および反転授業(Flipped class)の興味深い一例である。それについて外国語学部教授会構成員の約7割が知識を共有し、議論を深められたことは、今年度の重点テーマの一つである「異文化間コミュニケーション能力を育むための複言語統合型学習のより効果的な実践」を推進していく上で、非常に意義深いものであった。
ワークショップのグループ・ディスカッションで特に注目したのは「事前・事後学習のあり方」で、「どれくらいの時間の事前・事後学習が望ましいか」、「どうすれば事前・事後学習の時間を確保できるか」などについて活発に意見が交わされた。英語および英語以外の言語の、ネイティブおよび非ネイティブの教員の、授業改善に対する強い熱意が感じられたワークショップであった。

(3)その他研修会等

FD研修会:複言語主義に基づく新カリキュラムにおける中心的科目「英語で学ぶ〇〇の社会・文化」の開講に向けて
2019年8月28日(水)教授会終了後(14:30~)S102会議室

外国語学部は2019年度から複言語主義を旗印とする新カリキュラムをスタートさせた。その最も特徴的な新科目「英語で学ぶ〇〇の社会」「英語で学ぶ〇〇の文化」は、2年次生を対象としており、2020年度から開講されることになる。それに向けて専任教員が中心となって授業設計を進める中で、このFD研修会では複言語主義の理念や方法論を改めて確認した。具体的には、2019年2月27日に外国語学部が行った教育シンポジウム「新たな外国語教育をめざして——複言語主義、アクティブラーニング、CLIL」の特別講演の一つ、京都大学の西山教行教授による「外国語教育の刷新に向けた複言語主義」の映像を見た。機材の不具合のため中断し、映像の残りの部分はオンラインで個別に見ることとなった。

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