平成27年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

文化学部における春学期の学習成果実感調査は、必修のゼミ科目——「入門セミナー」(国際文化学科)、「京都文化フィールド演習」(京都文化学科)、旧カリキュラムの2年生科目「文化基礎演習」——を対象に行った。目的は、①事前事後学習の実態を調査すること、②ゼミでの学習成果の実感をとおして学部教育目標の達成度を測ることである。
まず設問1(出席率)と2-1(シラバスの確認)については、全学平均を上回る高い結果がでた。(1:4.88, 2:4.13)ゼミでの学習形態となるグループワーク(設問4)・フィールドワーク/調査研究(設問5)についても、その意義やおもしろさは充分に実感されている。(4:4.18, 5:4.16)さらに、文化への理解の深まり(設問6)や、授業の満足度(設問7)においても、それぞれ4.30、4.34という高い結果が示されている。これらのことから、学部の学びの根幹となるゼミが、うまく機能していることがわかる。
しかしながら、事前事後学習の時間(設問3)については、3.06(約1時間程度)という結果であった。これは、全学平均の2.09を上回る数値であるが、ゼミに特化して考えると低いと言わざるを得ない。
今年度より必修となった「入門セミナー」については、設問1(出席)と設問4(グループワークの意義)以外は、4.0を下回る低い結果となった。これは、このゼミの目的が大学での学びの環境への適応、モチベーションの形成にあり、調査研究(設問5)をとおして、文化への理解を深める(設問6)には至らなかったことが原因と思われる。満足度(設問7)は高い(4.02)ものの、学習内容の再検討は今後の課題である。

2.「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

参加人数

15名
①「公開授業」:なし
②「ワークショップ」:「入門セミナー」「入門セミナーA」のふりかえり

ワークショップでの意見交換内容

今年度から必修科目となって始まった「入門セミナーA」について、担当教員から各自の授業内容/方法について、加えて、授業運営の問題点についての報告があり、情報を共有した。
昨年度からの「入門セミナー」(半期開講、選択科目)を受けつぐ「入門セミナーA」は、文化学部に入ったばかりの学生が、学部の環境にスムーズに適応できるようデザインされた授業である。受講生は、グループワークによって、文化研究の初歩的なプロジェクトに取り組む作業をおこなうが、その目的は、高校までの受講生は受け身のスタンスをリセットし、学部教育へのモチベーションを高めることにある。しかし、今年度は、受講生のモチベーションを維持することが難しいという報告が複数の担当者から指摘され、その対策について話しあった。
以上のことから、「入門セミナーA」においては、資料検索やプレゼンテーションといった基礎的なアカデミックスキルの習得にとどまり、文化学部独自のアカデミックスキルを身につけるまでには至らないという現状が議論された。
今後は、「入門セミナー」の、学部導入教育としてのカリキュラム上での位置づけ、履修指導の問題等についても検討課題とする必要があると感じた。その上で、学部のアカデミックスキルを設定することについての議論を深めていきたいと思う。
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