公共政策コース

国や自治体の政策と経済との関係性を探る

自由競争の中で、いかにして民間企業の創意工夫を活かし、市場経済を発展させるか。そのためのメカニズムを考えることが、経済学における大きな研究テーマです。同時に、私たちの生活を守り、豊かな社会を築くためのルールが存在することも忘れてはなりません。公共政策コースでは、そのルールとなる金融、財政、社会保障といった政策を考え、実行する行政の立場から経済学にアプローチします。若年層の失業、都市部への人口集中、少子高齢化時代の年金・医療制度改革、経済発展と地球温暖化など、私たちの身近にある経済問題を通して、国や自治体が市場に果たす役割や課題、財政に対する影響といった視点から考えます。

政策を考え実行する行政の立場から経済学にアプローチ

公共政策の土台となる
経済の活性化に貢献できる公務員に

所属する地方財政論のゼミで、財政という切り口で自分の地元についての調査を行いました。人口、高齢化率、財政状況など、自分が住んでいる町を詳しく調査・分析する研究です。このゼミには東北、北陸、中国地方など全国から学生が集まっており、それぞれの地域を調査したゼミ生の発表を聞くことで、地元の状況を客観的に把握する視点も養えました。また、プレゼンテーションの機会が多く、伝わりやすい話し方や資料の作成について気を配ることで実務能力の習得にもつながりました。研究を通じて、財政基盤が安定しないと町づくりが進まないことを実感。その意識から公務員をめざすようになりました。研究で培ったことを、地域経済の振興に役立てる仕事をしていきたいと思います。


経済学科 4年次生 
和田 将司さん

※掲載内容は取材当時のものです。

コースのポイント

身近な問題を通して、日本の将来を考える

日々のニュースでも頻繁に取り上げられる金融緩和、増税、年金制度改革など、現代社会が抱える諸問題が公共政策コースの研究テーマ。教科書だけの学びにとどまらず、政党の打ち出す政策についてディベートを行うなど、日本経済の今後を見据えた学びを展開し、自ら考える力を養います。

複眼的なものの見方、考え方を身に付ける

「人々の行動がどうなるか」を中止に、公共政策と市場経済の関係を解き明かします。例えば、消費税について考えると、消費税を上げる場合と上げない場合、短期的な視点と長期的な視点で、それぞれどのような違いが生まれるかを詳しく研究。複眼的なものの見方を学びます。

主な専門教育科目

公共経済学

人々の豊かで安心な暮らしのために、国や自治体がどのような役割を果たすべきでしょうか。また、うまく役割を果たせない場合、それはなぜでしょうか。政治や選挙も経済学の考え方で読み解くことができます。

医療経済学

受講生へのアンケートを利用して、経済学の論理が食生活、運動、喫煙といった人々の行動を説明できるかを検証します。人々の健康に関わる問題と、その問題を解決するための政策について経済学の視点から考えます。

社会保障論

年金、医療、介護などの社会保障制度は、若者の負担でお年寄りを支えるしくみが基本となっています。では、少子化が今後も続くと、50年後にこの制度はどうなってしまうか、一緒に考えていきます。

地方財政論

日本の財政は、国・地方ともに膨大な債務残高を抱えています。その一方で、少子高齢化に伴う福祉政策や地域経済の活性化など、人々が国や自治体に寄せるニーズは多くあります。この科目は、日本の地方財政システムについて学ぶとともに、地方自治体が直面している問題の本質を理解するために必要な経済理論を学びます。

労働経済学

働くことは、私たちの社会貢献の手段ですが、自分たちの将来の計画を立てる重要な手段でもあります。労働経済学では、働くことを「社会とのつながり」と「一人ひとりの人生設計」という二つの側面から考察します。
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