令和元年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

令和元年度は経済学部の授業に関して以下の5つの側面から分析を行った。

(1)全学との比較
(2)学部内の状況
(3)経済学必修科目(ミクロ経済学入門、マクロ経済学入門)
(4)初年次教育導入科目(入門セミナー、データ処理セミナー):
(5)来年度から導入される新4コースの選択必修科目の候補科目

(1)については全学と比較しても大きな違いは見つからなかった。具体的には、授業出席状況は良好で、シラバスを多くの学生が事前に確認している。しかしながら、準備時間については多くの学生は1時間以内と推奨される4時間と比べるとかなり少ない時間となっている。(2)については自由記述で私語についてのコメントが見られたが、適切な対策をとっている教員に対する評価は高かった。(3)の学部教育の基礎となるミクロ・マクロ経済学入門については、学生の授業満足度は春期から秋期になり若干上昇した。これは、秋になって新入生が大学の講義に慣れたためとも考えられる。(4)については、入門セミナーで少人数授業による担当教員や他学生とのコミュニケーションが取れたことやディスカッションが出来たことを評価する学生が多かった。一方で、データ処理セミナーではパソコン一般やエクセルの使い方が修得できたことの満足度が高いことが確認できた。初年次教育については期待された効果が上がっていると言えよう。(5)では、来年度から導入される新4コースの科目群について学生から見たコース間の主観的評価を比較してみたが、明らかなコース間の差異は見つからずバランスの取れたコース設定との結論に達した。
来年度以降も、引き続き上記の側面を重視した分析を行う予定である。

2.「公開授業&ワークショップ」についての報告 

参加人数

  1. 「公開授業」:10月21日(月):環境経済学B(担当:武田 史郎 教授)3限、参加教員5名
  2. 「ワークショップ」:10月23日(水)教授会前、参加教員6名

ワークショップでの意見交換内容

当授業の進め方に関して以下の点について様々な意見交換がなされた。

(1)PPTを使った配布資料の穴埋め作業
(2)始めの10分程度における新聞記事などの解説
(3)ムードルを使った小テスト
(4)「ながらスマホ」に対する対応

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

入門セミナーやデータ処理セミナーなどの1年次における少人数授業は、新入生の経済学学習および大学生活への順応性を高める効果を持っている。

(2)1と2において確認された改善すべき点

必修科目であるミクロ・マクロ入門については十分な理解が得られるようにプログラムを再編成する必要がある。

4.次年度に向けての取り組み

次年度は、経済学部の新たな取り組みが2つある。1つは新コース制(現代、地域、ビジネス、グローバル)の導入、もう1つは入門経済学の再編成(ミクロ・マクロ経済学入門から経済学入門Ⅰ&Ⅱ)である。次年度も引き続き(1)〜(5)の項目に関して分析を行う予定である。
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