平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

学習成果実感調査は、対象科目数50科目(全履修者数4,416名)のうち48科目に対して実施(実施率:96.00%)した。また回答者数は2,746名であり、回答率は62.18%であった。なお、昨年度は対象科目50科目に対して48科目の同96.00%、回答率66.45%であった。
全科目における出席回数に関して、91%の学生が出席率80%以上であると回答している(昨年88%)。履修に関してシラバスを確認したかどうかに関する質問に対しては、78%の学生が確認したと回答している(昨年73%)。これらの数値は一昨年(84%, 71%)、昨年度と比較して継続して上昇しており、良好な結果と言える。しかし、回収率は昨年(66.45%)に比べて低下しており、履修登録を行った学生の内、授業に参加する集団と参加しない集団の2極化がさらに進んでいると考えると、出席率およびシラバス確認率の上昇は説明できる。
なお昨年度と同様に、設問4(積極性)、設問5(理解度)、設問6(成長の実感)について、高い順から積極性、成長、理解度となっていることが興味深い。そのまま解釈すれば「積極的に取り組んだが、成長はある程度実感できるまでにとどまり、理解できたという実感は更に低い」と読める。しかし設問8(履修して良かったか)は積極性の次に高い値を示しており、数値の解釈が困難である。(努力したが理解度が低いと実感したのであれば、その満足度は低くなるだろうが、それでも満足していると答える心理はどのようなものだろうか。)

2.「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

参加人数

①「公開授業」:「コンピュータ理工学実験A・B」(学生実験8テーマ)赤﨑 孝文 教授、秋山 豊和 准教授、伊藤 浩之 教授、奥田 次郎 教授、蚊野 浩 教授、河合 由起子 准教授、瀬川 典久 准教授、竹内 勉 教授、田中 宏喜 准教授、外山 政文 教授、鳥飼 弘幸 教授、新實 治男 教授、林原 尚浩 准教授、平井 重行 准教授、棟方 渚 准教授、孟 林 講師
2017年5月22日~7月8日までの間(火)3~5限、14号館地下学生実験室(8教室)
②「ワークショップ」:20名程度

ワークショップでの意見交換内容

今回のワークショップでは、公開授業を行ったコンピュータ理工学実験A・B(以下「学生実験」と表記する)の授業内容に関する現状と問題点の学部内共有、および今後の改善方向の検討の開始に関する意見交換を行った。学生実験世話人の赤﨑教授から単位取得状況やレポート作成指導の新たな試みなどの説明後に、実験担当者に行ったアンケート結果の説明を伊藤教授が行った。その後4つのテーマに関して全員で議論を行った。それぞれのテーマは、「学生実験の目的は何か?」、「学生の講義履修との整合性は適切か?」、「勉学意欲の低い学生への対応」、「複数テーマでの評価の一貫性は必要か?」である。これらの議論の概要は議事録として文書化しており、今後の改善作業に役立てる計画である。学生実験は複数教員が担当するため、各自が考える教育目的、評価基準などに大きなばらつきが存在し、これが学生の受講態度に混乱をもたらしている可能性がある。学生実験に関しては、秋学期にも継続して議論を行っていく計画であり、何らかの統一的な教育目標、評価基準の設定を目指して行きたい。
FD/SD 活動に関しては継続的に観察し、議論を行うことが重要と考えられるため、結論が出ないことをおそれず、今後もこのような意見交換を続けて行くのが良いと考える。
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