平成28年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

学習成果実感調査は、対象科目数50科目(全履修者数4379名)のうち48科目に対して実施(実施率:96.00%)した。また回答者数は2910名であり、回答率は66.45%であった。なお昨年度は対象科目42科目に対して40科目の同95.24%であった。
全科目における出席回数に関して、88%の学生が出席率80%以上であると回答している。履修に関してシラバスを確認したかどうかに関する質問に対しては、73%の学生が確認したと回答している。これらの数値は昨年度の最終報告を僅かではあるが上回っており(同84%、71%)、良好な結果と言える。
なお設問4(積極性)、設問5(理解度)、設問6(成長の実感)について、高い順から積極性、成長、理解度となっていることが興味深い。そのまま解釈すれば「積極的に取り組んだが、成長はある程度実感できるまでにとどまり、理解できたという実感は更に低い」と読める。しかし設問8(履修して良かったか)は積極性の次に高い値を示しており、数値の解釈が困難である。(努力したが理解度が低いと実感したのであれば、その満足度は低くなるだろうが、それでも満足していると答える心理はどのようなものだろうか。)

2.「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

参加人数

①「公開授業」:プログラミング演習系 科目群
②「ワークショップ」:15名程度

ワークショップでの意見交換内容

今回のワークショップでは、公開授業を行ったプログラミング演習系の授業内容に関する振り返りと、学部カリキュラム等の改革に関する意見交換をおこなった。3セメスターにわたって展開する一連の科目に関する共通の認識をもつためには良い機会となった。例えば昨年度末に基礎プログラミング演習IIに関して不合格率が非常に高く、落伍者層の多くが前段科目である基礎プログラミング演習Iでグレーゾーン(理解度が低かった)学生だったことが報告されたが、このワークショップでは基礎プログラミング演習Iの現状報告とともに、今年度の合否判定を厳しくとる方針であることなどが示された。
ただ、理解度の低い学生に関する議論では、「うまく出来ない学生は基本的にノートを取ってない」「タイピングが遅い」「理解ができない」ことが共通である、といった、科目ごとの内容から離れてより根元的な階層でのつまづきがあるとの意見が複数の教員からあがった。一部具体的な提案(基礎プロ I ではプログラムにコメントを書くことを必須にするのが良いか、ノートをとらせるのが良いのではないか等)も挙がったが、最終的にこのあたりのことについては当日のワークショップでは議論を収束させられず、特定の結論を得ることはできなかった。
FD/SD 活動に関しては継続的に観察し、議論を行うことが重要と考えられるため、結論が出ないことをおそれず、今後もこのような意見交換を続けて行くのが良いと考える。
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