総合生命科学部シンポジウム「見ればわかる。魅せる最新の生命科学」開催

私達の体は、マイクロスケール(1ミリの千分の1)の大きさの細胞が集まってできています。その細胞の中に、さらに小さいナノスケール(1ミリの百万分の1)の大きさの生体分子が集まり、細胞が生きるために必要な様々な仕事が行われています。この仕事の様子を直接見ることができれば、細胞が生きるしくみや、そのしくみが壊れてガンや病気になる原因を明らかにできます。

最近、このような極めて小さい生体分子や、1つの生体分子が働いている現場、生体分子が引き起こす細胞間のやりとり、細胞を動かす運動装置の働く様子など、を直接見ることが可能になりました。
「百聞は一見にしかず。」見る技術を駆使して新しい生命科学の分野を切り開いてきた研究者をお招きし、最先端の研究成果を美しく印象的な動画で見て頂くともに、わかりやすくお話しいただきます。

講演1 「生物発光が拓く生命科学と未来社会」 大阪大学 永井 健治 教授

我々の回りには、ホタルやツキヨタケ、発光クラゲなど、数多くの光る生物が見受けられます。この光のもとであるタンパク質を使って、様々な生命現象を見ることができます。光るタンパク質研究の第一人者である永井先生に、光るしくみやその改良、そして光るタンパク質をどのように我々の生活に役立てるのか、についてわかりやすくお話していただきます。

講演2 「マイコプラズマ - 滑走する肺炎細菌」 大阪市立大学 宮田 真人 教授

マイコプラズマは、肺炎を引き起こす微生物の一種です。マイコプラズマは、動き回ることが知られていましたが、動くしくみは長年謎でした。宮田先生は、マイコプラズマが動く様子を初めて見ることに成功し、マイコプラズマの表面にとても変わった形の運動装置を見つけました。この装置の動くしくみに関する最新の研究成果とあわせ、マイコプラズマが滑走する様子をわかりやすい動画でご覧いただきます。

講演3 「バイオ分析のデジタル革命」 東京大学 野地 博行 教授

ウイルスやタンパク質をたくさんの小さな部屋からなる空間に入れて観察すると、それぞれの部屋の中にいるか、いないかが,簡単に判断できます(デジタル化)。この技術を発展させることで、従来の方法より少ない数のウイルスやわずかなタンパク質のはたらきを見ることも可能になります。この分野の第一人者である野地先生に、デジタルバイオ分析の現状および将来なにができるのか、についてお話しいただきます。数個のインフルエンザウイルスを見つける技術が開発されれば、鼻の奥に棒を突っ込まれることがなくなるかも。

講演4 「クライオ電子顕微鏡がもたらした見る革命」 京都産業大学 横山 謙 教授

小さなものを見るときには顕微鏡を使いますね。1ミリの百万分の1のナノスケールのタンパク質などを見るときは、電子を使った電子顕微鏡を使います。最近、電子を直接見るカメラが開発されて、すごくくっきりはっきりとタンパク質や細胞の中を見ることが可能になりました。電子顕微鏡により生体分子を見る最先端の技術について紹介するとともに、私共の研究室で最近見ることができた回転することで水素イオンを運ぶタンパク質のしくみについてお話しします。


日時 2017年3月3日(金)13:30~17:20 (12:30開場)
場所 京都産業大学 むすびわざ館2階ホール(交通アクセス
京都市下京区中堂寺命婦町1-10
むすびわざ館には駐車場はございません。お車でお越しの際は、近隣の有料駐車場をご利用ください。
定員 300名
申込 事前申込不要、当日会場にお越しください
参加費 無料
お問い合わせ先
京都産業大学 総合生命科学部事務室
〒603-8555 京都市北区上賀茂本山 16号館1階
Tel.075-705-1466
Fax.075-705-1914

総合生命科学部事務室 窓口取扱時間
月~金曜日:9:00~16:30(13:00~14:00を除く)
土曜日:9:00~12:00
日曜日・祝日:休業につき取扱いいたしません。
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