理学部 物理科学科セミナー「量子ホールエッジチャネルにおけるホットエレクトロンのエネルギー緩和過程」

2017.01.13

二次元電子系に面直に強磁場を印加すると量子ホール状態が形成され、電流は試料端の一次元一方向のチャネル(エッジチャネル)を流れます。この一方向性は実験を行う際に非常に有用であり、相互作用する一次元電子系である朝永-Luttinger 液体(TLL)を扱う実験などの舞台として注目されています[1]。
本セミナーでは、エッジチャネルに入射した電子のエネルギー緩和について紹介します。エッジチャネルにおいて、励起エネルギーはフェルミ面からの距離に対応します。その為、低エネルギーではフェルミ面付近の電子とのクーロン相互作用により、TLL で説明される緩和が生じます[1]。対して、高エネルギーでは、フェルミ面から空間的に離れる為にクーロン相互作用は無視できます[2]。本実験では、入射電子のエネルギーを広い範囲で変化させ、エネルギー緩和過程が著しく変化する様子を連続的に観測しました。
本研究はJSPS 科研費(JP26247051, JP15H05854)、東工大ナノテクノロジープラットフォームの支援を受けました。
[1] K. Washio et al., Phys. Rev. B 93, 075304 (2016).
[2] M. Kataoka et al., Phys. Rev. Lett 116, 126803 (2016). 
講師 太田 智明 氏
(東京工業大学大学院 理工学研究科 物性物理学専攻 藤澤研究室 博士課程2年)
題目 「量子ホールエッジチャネルにおけるホットエレクトロンのエネルギー緩和過程」
日時 2017年1月19日 (木) 16:45~17:45 
場所 万有館2階 B211セミナー室
申込 不要、当日会場にお越しください
お問い合わせ先
京都産業大学 理学部事務室
〒603-8555 京都市北区上賀茂本山 万有館1階
Tel.075-705-1463
Fax.075-705-1820

理学部事務室 窓口取扱時間
月~金曜日:9:00~16:30(13:00~14:00を除く)
土曜日:9:00~12:00
日曜日・祝日:休業につき取扱いいたしません。
※時期により、窓口時間を変更いたしますのでご注意ください。
rigaku-jim@star.kyoto-su.ac.jp
PAGE TOP