「遺伝と進化の不思議~ダーウィンとメンデルから学んだこと~」リエゾンオフィス主催シンポジウム

2016.02.24

総合生命科学部むすびわざ館
※申込は終了しました
キリンの首はなぜ長くなったのか。水菜と壬生菜、起源は同じ植物なのに葉の形に違いが生じたのはなぜなのか。これらの疑問は現代の進化学や遺伝学の研究で紐解くことが出来ます。約150年前、進化学と遺伝学の基礎を作った二人の人物がいました。「進化論」を唱えたダーウィンと「遺伝学の祖」と言われるメンデル。彼らが唱えた理論は現代の生命科学の大きな礎となっていて、ヒトのゲノム情報の解読から動植物の品種改良にいたるまで様々な分野の研究に利用されているのです。

今回のシンポジウムでは昆虫や植物を例に、ダーウィンが提唱した進化のメカニズムや、メンデルの遺伝の法則について分かり易くお話します。
開催日時  2016年3月5日(土)
開場 13:00  開演 13:30  終演 16:30(予定)
会場 京都産業大学 壬生校地 むすびわざ館 2階ホール
京都市下京区中堂寺命婦町1-10(京都市下京区壬生川松原下る)
交通アクセス
定員 350名(参加無料)
申込方法 定員に至り次第、申込受付を締め切ります。(残りわずか)
申込は以下の申込フォームボタンをクリックし、申込情報の登録をお願いいたします。

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プログラム

講演①「遺伝と進化の正しい理解-ダーウィンとメンデルが伝えたかったこと-」(60分)

総合生命科学部 野村 哲郎 教授 研究分野:動物育種学、集団遺伝学

子供には親の「血」が引き継がれている-これは、厳密には間違い。メンデルがそのことを最初に指摘しました。キリンは高い枝の葉っぱを食べようと首を伸ばし続けたから、首が長くなった-これも間違い。ダーウィンが正しい考え方を示しました。

私たちがよく見かけるテントウムシ(ナミテントウ)は同じ種類の中でも背中の斑紋にいろいろな違いがあります。この違いは遺伝子の働きによるもので、メン デルが示した遺伝法則にしたがいます。また、日本列島では北から南に移動するにしたがって、特定の斑紋の個体の割合が増えていきます。私は北海道から九州 までの約100か所で3万匹を超えるテントウムシを採集し、過去半世紀の間に各地で斑紋の割合が変化していることを明らかにしました。これはダーウィンが 考えた進化のメカニズムが実際に野外で働いていること証明する結果と考えています。今回は、2人の偉人が私たちに伝えたかったことを、テントウムシの斑紋 を材料にして皆さんにお話ししたいと思います。

講演②「葉っぱの形の遺伝と進化-メンデル遺伝学で解き明かす多様な葉の形ができるしくみ-」(60分)

総合生命科学部 木村 成介 准教授     研究分野:植物生態進化発生学

野外の植物を見回してみると、さまざまな形の葉があることがわかります。丸いものからギザギザのものまで見ていて飽きることがありません。光合成器官である葉は、光を受けるだけでなく、気孔を介して酸素や二酸化炭素の出し入れをすることで植物の生命活動を支えています。そして、その葉の形は環境との関係の中で様々に進化してきたと考えられているのです。

私たちは、多様な葉の形がどのように進化してきたのかを遺伝子レベルで研究してきましたが、その研究過程ではメンデルの遺伝の法則が使われています。本講演では、進化論で有名なダーウィンがガラパゴス諸島で見つけた野生のトマトや、京野菜の代表格である水菜と壬生菜の葉の形に関する研究をトピックとして、メンデルの遺伝学を紹介しながら、葉の形の多様性の進化や遺伝的背景についてお話ししたいと思います。
水菜と壬生菜の葉
画像:早稲田大学古典籍総合データーベース

質疑応答

申込時に皆様から頂いたご質問などに、時間の許す限り講演者がお答えします。

講演者プロフィール

野村 哲郎(京都産業大学 総合生命科学部 教授)

滋賀県立彦根東高校出身。湖東の自然豊かな町で育ち、子供のころから昆虫の採集と飼育、魚釣りなど生き物と触れ合ってきた。将来は動物に関わる仕事がしたいと思い、京都大学農学部に入学。大学では遺伝学を応用した動物の品種改良について学び、大学院に進学。大学院では数学や統計学を使った遺伝学を研究し、その成果を黒毛和牛の改良に応用して博士号を取得。その後、京都産業大学国土利用開発研究所、同大学工学部を経て、2010年より現職。現在は、動物の品種改良や絶滅危惧動物の増殖に関する理論、さらに昆虫を材料にした遺伝・進化の研究を進めている。机の上で紙と鉛筆やコンピュータを使って計算するのも好きだが、今も野外でネットを振り回して昆虫を採集するときにときめきを感じる。
教員紹介ページ

木村 成介(京都産業大学 総合生命科学部 准教授)

神奈川県立麻溝台高等学校出身。高校の生物の授業で習った遺伝子DNAやタンパク質の働きに感動して東京理科大学応用生物科学科に進学。生物学に関連した仕事がしたいと高校の教師を目指していたが、卒業研究で研究の面白さに引き込まれ、そのまま大学院に進学。植物が紫外線からどのように身を守っているかを研究して博士号を取得した。卒業後は助教を4年間勤めたあと、カリフォルニア大学デービス校に博士研究員として研究留学。これまでとは全く関係ない植物の葉の形の進化発生学の研究を行う。5年間のアメリカ生活のあと、帰国して現職。葉の形の多様性と環境の関係に興味を持ち、生態進化発生学という新しい分野の研究を進めている。
教員紹介ページ
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※2016年10月1日、連携推進室およびリエゾンオフィスは「社会連携センター」に組織変更となりました。
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