2016年4月 京都産業大学理学部 宇宙物理・気象学科 新設!

地球大気から銀河まで、宇宙的視点から自然の真理を探る。

 理学部は、開学以来、理学の基礎を身につけた有為な人材を育成してきました。
 2016年4月、京都産業大学理学部は、ミクロな現象を通じて物理学を学ぶ物理科学科に加えて、よりスケールの大きな地球大気から宇宙空間を舞台とする物理現象の探究を通じて物理学を学ぶ新学科「宇宙物理・気象学科」を設置します。
 物理科学科との連携のもとに教育研究を行い、宇宙的な視点から自然を理解し、現代の様々な問題に対処できる理学の素養を持った人材を育成します。


概要

 
名称 京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科
定員 入学定員40名、収容定員160名
修業年限 標準修業年限4年
学位 学士(宇宙物理・気象学)

養成する人材像

 観測を通して宇宙における様々な現象を正確に捉え理解するには、観測・測定機器等のハードウェアに精通し、高度なデータ処理・分析能力を有することが不可欠です。こうした体験に基づく総合的問題解決能力を育んだ人材が現代社会の様々な局面で必要とされていることを鑑み、宇宙物理・気象学科では、このような能力を持った理系産業人を育成することを目指します。
 また、異常気象や地球温暖化などの人類の生存基盤を脅かす様々な気象現象を、地球のみならず太陽系惑星も含めた広い見地から理解・解明し、解決の方策を探ることが社会から要請されており、このような課題に立ち向かう志を持った学生を育成することを目指します。

  1. 各地に存在する公的天文台・科学館の学芸員
  2. 防災に関わる地方公共団体
  3. 気象庁、気象関係の民間企業
  4. 農業をはじめとする第一次産業・小売業・流通業等の気象情報に大きく影響される民間企業
  5. 情報系技術者、メーカー(光学機器、制御機器等)
  6. 中学校・高等学校の教員
  7. 大学院進学など

カリキュラム編成

 宇宙を舞台とする天文現象や日々の生活に密接に関係する大気現象は、人々の純粋な知的好奇心をかき立てると同時に、人類の生存基盤に直接関係する学問領域です。宇宙物理・気象学科では、人類の生存基盤としての地球の大気圏と、それを取り囲む宇宙を有機的かつ体系的に学び研究できるカリキュラムを構築するとともに、観測実習科目を充実させます。

1.体系的なカリキュラム

 宇宙物理・気象学科では、宇宙物理学・気象学を総合的かつ体系的に学べるカリキュラムを構築します。また、物理科学科との連携のもと、学生が興味に応じて物理学全般を学べる体制を目指します。

2.基礎重視の教育課程

 物理学は、一歩一歩基礎から積み上げることによりはじめて十分に理解できる学問です。また、基礎的な数学の知識も欠くことができません。宇宙物理・気象学科では、1・2年次において、力学、電磁気学、熱力学等の物理学の基盤的部分と微分積分学や代数学・幾何学等の数学の基礎について、講義科目・演習科目により着実な理解ができるようなカリキュラムを構築します。また、3年次(一部2年次)に各分野の基礎となる科目群(専門展開科目群)を設置し、専門分野の基礎知識を着実に修得できるようにします。

3.神山天文台との連携

 本学の敷地内に設置された神山天文台との連携を強化し、「宇宙観測・解析実習」「大気物理学実験」の実習・実験科目を充実させます。さらに、日本の私立大学としては最大級の望遠鏡や世界最高水準の性能を持つ近赤外線高分散分光器等を教育・研究に活用します。

4.他研究機関との協力

 国立天文台、ESA(欧州宇宙機関)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、京都大学防災研究所等の研究機関の協力のもとに、4年次の特別研究等の教育を充実させます。

開設予定科目例

1.宇宙観測と星の物理学

 地上の観測所や大気圏外の衛星を用いた宇宙観測の実際を解説します。また、星の構造とその中で起こっている過程を、物理学の知識により明快に推測できることを示します。このような物理学に基づいた天体現象の理解を通じて現代天文学・宇宙物理学の基礎を身につけます。

2.気象物理学

 様々な気象現象の基本的メカニズムを、力学や熱力学、放射などの観点から解説します。地球惑星大気の鉛直方向の力学/熱力学的構造、雲や降水をもたらす大気循環、大気の運動の基礎について学び、気象力学の体系的な理解を目指します。

3.宇宙観測・解析実習

 現代天文学・宇宙物理学において行われている実際の天体観測を、最新の観測装置を擁する神山天文台を利用して実習し、宇宙物理学データ処理の基礎を学びます。また、世界の天文台・衛星の公開データを用いて同様の解析を試みます。

4.気象学データ解析演習

 過去数十年、種類によっては百年程度蓄積されている気象関係のデータを解析する事により、気候変動や異常気象など様々な気象現象の物理的な理解を深めます。また、計算機利用の能力を高める事も本講義の目的の一つです。

卒業要件

 新学科の卒業要件は、4年以上在学し、共通教育科目24単位以上(「人間教育科目」のうち人文科学領域、社会科学領域から各4単位、「英語教育科目」のうち8単位選択必修)および専門教育科目80単位以上を含む卒業要件科目124単位以上を修得する必要があります。

入学者選抜

 一般入学試験、推薦入学試験およびAO入試により選抜します。

理学部の学科再編のまとめ

1.学部・学科の名称

    理学部(Faculty of Science)

    • 数理科学科 (Department of Mathematics)…<変更なし>
    • 物理科学科 (Department of Physics)…<変更なし>
    • 宇宙物理・気象学科(Department of Astrophysics and Atmospheric Sciences)…<新設>

    2.入学定員・収容定員 ( )は現在の数字

    入学定員 収容定員  
    理学部 125(90)名 500(360)名  
       数理科学科 45(45)名 180(180)名 変更なし
    物理科学科 40(45)名 160(180)名 変更
    宇宙物理・気象学科 40名 160名 新設
     

    ※編入学定員は設定していません。

    3.学位

    理学部
    数理科学科 学士(数理科学)Bachelor of Mathematics 変更なし
    物理科学科 学士(物理科学)Bachelor of Physics 変更なし
    宇宙物理・気象学科 学士(宇宙物理・気象学)Bachelor of Astrophysics and Atmospheric Sciences 新設
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