物理科学科 セミナー「サブミリ波望遠鏡による金星大気の観測」開催(2014.10.29)
下記のように理学部物理科学科公開セミナーを開催します。奮ってご参集下さりますようご案内申し上げます。
日時 | 2014年10月29日(水) 13:30〜 |
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場所 | 京都産業大学 万有館 2階 セミナー室 |
講演者 | 佐川 英夫 理学部 准教授 |
演題 | 「サブミリ波望遠鏡による金星大気の観測」 |
対象 | 一般・学生・教職員(参加費無料) |
申込み | 事前申込は不要。 当日、直接 万有館 2階 セミナー室へお越しください。 |
講演内容
地球の兄弟惑星とも呼ばれる金星ではあるが、その大気環境は高温高圧で知られ、地球の大気構造とは大きく異なった姿を見せる。惑星がどのような大気を持ち、その大気がどのような運動(循環)をしているのかを観測的に明らかにすることは、惑星の表層環境を理解するのみならず、その惑星におけるエネルギー輸送を考える上でも非常に重要である。 惑星大気の観測で近年注目を浴びているのが、サブミリ波帯ヘテロダイン受信機の利用である。赤外線と電波の中間に位置するサブミリ波帯では、惑星大気からの熱放射が強くなり、且つ、大気中に含まれる微量成分が複数の回転振動遷移を持つ。ヘテロダイン受信機による高い周波数分解能の観測によって、それらの分子の吸収線あるいは輝線のスペクトルを、個別に分離した観測が可能となる。そうして得られる分子スペクトルの形状からは、その分子の大気鉛直方向の分布を推測することが出来る。 本セミナーでは、サブミリ波望遠鏡を利用した金星大気のヘテロダイン観測を紹介し、観測データから大気物理量を如何に抽出していくかについて、できるだけ平易に解説する。