理学部 物理科学科セミナー「有機導体における熱測定技術の開発と有機ディラック電子系への応用」開催(2014.05.28)

 下記のように理学部物理科学科公開セミナーを開催します。奮ってご参集下さりますようご案内申し上げます。

日時 2014年5月28日(水) 15:00〜
場所 京都産業大学 万有館 2階 セミナー室
講演者 鴻池 貴子 氏
(物質・材料研究機構 独立研究者)
略歴:本学・物理科学科卒、大阪市立大大学院 理学博士
演題 有機導体における熱測定技術の開発と有機ディラック電子系への応用
対象 一般・学生・教職員(参加費無料)
申込み 事前申込は不要。当日、直接 万有館 2階 セミナー室へお越しください。

講演内容

 有機導体では低次元性や強い電子間相互作用を反映して多彩な電子相が現れるが,相転移の熱力学的検証に不可欠な熱測定による実験的研究は,電気抵抗測定によるものと比較して圧倒的に少ない。また圧力に対して電子物性が敏感に変化し,圧力誘起の超伝導や磁気秩序化,グラフェン同様のディラック電子系を形成する線形分散の実現にいたるまで,圧力によってさまざまな物性制御が可能である。一方,圧力下の熱測定では圧力媒体を通した熱リークが避けられないため測定は困難であり,特に大きな結晶を得ることが難しい有機導体の分野ではほとんど報告がない。このような背景のもと,本研究では有機導体の熱測定による研究に着目し,磁気熱量効果や比熱測定技術を確立するとともに,これらを圧力下での測定に応用することでグラフェンでは測定が難しいディラック電子系の比熱や熱起電力のふるまいを実験的に明らかにした。

 
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