理学部物理科学科談話会のお知らせ(2013.02.14)

地上観測を利用した惑星大気研究

日時 2013年2月14日(水)13:30〜
場所 京都産業大学理学部2号館3階 会議室
講演者 佐川 英夫 氏(NICT:情報通信研究機構)
題目 地上観測を利用した惑星大気研究
対象 学生(学部生・大学院生を問わず)、教職員

講演概要

 惑星大気科学において観測的研究は理論的・数値実験的研究に並ぶ重要な研究手段である。今や,惑星近傍まで探査機を飛ばす事が可能な時代であり,こうした探査機による非常に高い空間分解能の観測が,惑星大気科学の発展に大きなインパクトを与えてきたことは紛れもない事実である。一方で,探査機による観測は,その成功までに長期の開発期間を必要とし,観測 運用期間も十分な期間を必ずしもカバーできるわけでは無い。また,観測測器へのリソースも極めて限定的となる。これら探査機による観測の難点を相補的にサポートできるのが,地上の観測施設 (望遠鏡)である。特に惑星大気においては,物理量の空間的な変動と 時間的な変動を分離することが重要となるが,地上観測を利用した長期時間変化モニターなどは,正にそれに適したものと言える。また,大気組成の微量成分を把握したい場合には,分子のスペクトルを利用した分光観測が考えられるが,高い波長(周波数,速度)分解能を実現する為には,観測測器のリソースに制約が無い地上観測の方が適している。
 本セミナーでは,冒頭で近年の地上観測によってもたらされた惑星大気研究の発展を紹介し,後半部分では金星大気の高分散分光観測に焦点を当てた話題提供を行なう。

物理科学科 談話会世話人

 
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