理学部物理科学科談話会のお知らせ(2013.01.30)

High-z Star Forming Galaxies in Cosmological simulations :Statistical Properties

日時 2013年1月30日(水)13:30〜
場所 京都産業大学理学部2号館3階 会議室
講演者 清水 一紘 氏(大阪産業大学)
題目 High-z Star Forming Galaxies in Cosmological simulations :Statistical Properties
対象 学生(学部生・大学院生を問わず)、教職員

講演概要

 近年観測機器の発達により、より遠方(high-z)にある銀河が多数発見されている。しかしながら、現在の観測(特にhigh-z)では、多波長観測が難しくUV域から光学域に限った観測が主に行われている。結果として高赤方偏移で観測される銀河は、銀河の同定の仕方によって Lyman Break Galaxy:LBG, Lyman Alpha Emitter:LAE, Submm Galaxy:SMG等に分類されている。 観測される銀河の多くは星形成の活発な銀河に限られており(観測的バイアス)、 そのため観測される各々の星形成銀河の理解は進んできたが、銀河進化においてそれら銀河が どのようなフェーズにあるのか、どのような銀河に進化していくかはよく分かっていない。 そこで我々は high-zで観測される銀河がどのような性質の銀河なのかを調べるために、 宇宙論的流体計算を行った。さらに今研究では、各銀河のUV域からmm/Submm域にまでわたる幅広い波長域のSpectral Energy Distribution(SED)を同時に計算することで、 より現実的な銀河カタログを生成し観測と比較した。 今回我々は特にSMGに注目し、銀河カタログを用いてSMGの統計的性質について調べた。 観測されているSMGのほとんどは赤方偏移が同定されていないため、 我々はlight coneを作り各赤方偏移に含まれるSMGsを2次元上に投影することで、 直接観測と比べられるように工夫している。 結果として、我々は宇宙論的流体計算を用いてこれまでの観測で得られたSMGsの number countを世界で初めて再現することに成功した。本講演では、我々の銀河モデルや結果について詳しく議論するだけでなく、LBGs, LAEsといった他のhigh-z galaxyとの関係や SMGsのhost halo massなどについても言及する予定である。

物理科学科 談話会世話人

 
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