理学部物理科学科セミナーのお知らせ
下記のように物理科学科セミナーを開催します。奮ってご参集くださりますようご案内申し上げます。
日時 | 2010年7月14日(水)15:30〜 |
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場所 | 京都産業大学 2号館3階 会議室 |
講演者 | 上田 洋司 氏(藤田保健衛生大学総合医科学研究所助教) |
題目 | 「脳におけるアクチビンの多機能的役割」 |
対象 | 本学学生・教職員 |
講演概要
神経科学の分野において、「記憶形成の分子的理解」は創薬にも結びつくため、現在も盛んに行われているが、その全容は未だに不明である。私たちはこれまでに、分泌ホルモン分子であるアクチビンが神経形態、神経新生、不安行動に関わっている事を明らかにしてきた(J Cell Sci 2007, PLoS ONE 2008, Cell Comm and Sig 2009, Vitam & Horm 2010)。更に私たちは、独自に作製した前脳特異的アクチビン及びフォリスタチン(アクチビン阻害タンパク)過剰発現マウスが新たな躁鬱病のモデルマウスになる事を報告した(PLoS ONE, 2008、5つの特許出願、4つの新聞報道(毎日新聞、日経産業新聞、化学工業日報、日刊工業新聞))。 今回、脳内アクチビンが神経活動、長期記憶形成、記憶の再固定化などにも影響を及ぼす事に関する最新の知見(Learning and Memory 2010)、および今後の展望についての議論をしたい。
参考文献
- Learning and Memory, Vol 17, p168-175, 2010
- Vitamins & Hormones, Vol 85, invited review, 2010
- Cell Communication and Signaling, Vol 7, p15, 2009
- PLoS ONE, Vol 3(4), e1869, 2008
- J Cell Sci., Vol120, p3830-7, 2007