理学部公開セミナー開催のご案内(2008年4月30日)
下記のように理学部公開セミナーを開催します。奮ってご参集くださりますようご案内申し上げます。
日時 | 2008年4月30日(水)15時〜 |
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場所 |
京都産業大学理学部 208教室(2号館4階) 通常と場所が異なります。ご注意下さい。 |
講演者 | 山田 尚史 氏 (豊田中央研究所研究員) |
講演題目 | 光学的手法によるコロイド結晶中のゆらぎの研究 |
対象 | 本学教員・学部生・大学院生 |
講演要旨
単分散のコロイド分散液は、イオン濃度の低い条件下でコロイド結晶を形成する。コロイド結晶では可視光でブラッグ回折が起き、光学的な測定が容易である。本セミナーではブラッグ回折光とコロイド結晶中に存在する歪みとゆらぎの関係を調べ、回折光パターンのゆらぎのメカニズムを明らかにした実験について講演を行う。
実験では、単結晶にレーザー光を入射させた時のブラッグ回折パターンを詳細に調べた結果、強い回折光と弱い回折光という2種類の成分から構成されることが分かった。単結晶のコロイド結晶はモザイク構造を持ち、それぞれのブロックからの回折光の干渉により強い回折光パターンが現れることが分かった。一方、弱い回折光は時間的なゆらぎを持ち、コロイド結晶中の粒子は協同的な運動を行っていることが分かった。
また、歪みの少ない単結晶作成法を考案し、光学的測定とシミュレーションにより結晶の成長過程を観察した結果についても紹介する。
物理学科談話会委員