理学部数理科学科 学生向け談話会のお知らせ
次の要領で学生のための本校教員による談話会を開催します。
多数の学生の参加を期待しています。奮ってご参加ください。
日時 | 2008年4月30日(水) 13:15〜 1時間程度 |
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場所 | 京都産業大学 2号館3階会議室 |
講演者 | 柳下 浩紀 氏 |
講演要旨
常微分方程式と拡散方程式の平衡解の安定性について
一般に力学系において、平衡点の近傍における流れの様子は重要な興味の対象である。力学系とは、状態の時間発展を、空間の中の点の運動(流れ)として数学的にモデル化したものである。時間発展で全く動かない点を平衡点と呼ぶ。
大雑把に言って、平衡点の近くの点が時間が経つと平衡点に極限で収束するとき、その平衡点は(漸近)安定である、という。
この講演では主として、2×2行列を使ってモデル化される定係数の線形常微分方程式が作りだす相平面上での流れについて、平衡点の安定性が行列のどのような性質に依存しているかを説明したい。さらに、非線形系についても、その線形化方程式の行列の性質が安定性の基準となること、及び、このような考え方は有限次元空間の常微分方程式を超え、拡散方程式のような偏微分方程式についても適用可能であることについて簡単に言及する予定である。
数理科学科 主任
談話委員