高谷康太郎 准教授

理学部 宇宙物理・気象学科

米原厚憲 教授

アインシュタインの望遠鏡で、あなたは宇宙の何を見る?

系外惑星、クェーサー、ブラックホール、ダークマター…。共通しているのは、ちょっとやそっとじゃ、その姿を捉えられないこと。惑星は恒星のようには光ってくれず、太陽系の外で探すのは至難の技だ。銀河の1000倍以上明るいはずのクェーサーは、あまりに遠すぎて青白い小さな点にしか見えない。ブラックホールやダークマターに至っては、そもそも光も何も発しない無言の天体だ。それでもやっぱり、見てみたい。その形を、構造を、確かにそこにあるという存在の痕跡を捉えたい。方法はある。望遠鏡と見たい天体の間に別の天体を置けばいい。その別の天体の重力が周囲の空間を曲げ、レンズのように天体を拡大して見せてくれるはずだ。しかし、この重力レンズ効果を予想したアインシュタイン本人ですら、そんなうまく天体が並ぶ確率はあまりに低く、現実には起きないだろうと考えていた…。いや、大丈夫。「星は、それこそ星の数ほどあるから」と、米原厚憲教授は笑った。

アインシュタインの望遠鏡で、
あなたは宇宙の何を見る?

系外惑星、クェーサー、ブラックホール、ダークマター…。共通しているのは、ちょっとやそっとじゃ、その姿を捉えられないこと。惑星は恒星のようには光ってくれず、太陽系の外で探すのは至難の技だ。銀河の1000倍以上も明るいはずのクェーサーは、あまりに遠すぎて青白い小さな点にしか見えない。ブラックホールやダークマターに至っては、そもそも光も何も発しない無言の天体だ。それでもやっぱり、見てみたい。その形を、構造を、確かにそこにあるという存在の痕跡を捉えたい。方法はある。望遠鏡と見たい天体の間に別の天体を置けばいい。その別の天体の重力が周囲の空間を曲げ、レンズのように天体を拡大して見せてくれるはずだ。しかし、この重力レンズ効果を予想したアインシュタイン本人ですら、そんなうまく天体が並ぶ確率はあまりに低く、現実には起きないだろうと考えていた…。いや、大丈夫。「星は、それこそ星の数ほどあるから」と、米原厚憲教授は笑う。

重力レンズは、宇宙に浮かぶ天然の望遠鏡

クェーサーは宇宙の中で最も明るく光る天体のひとつで、中心に巨大ブラックホールを宿していると考えられています。ただ、「宇宙の果て」と言えるくらい遠くにあるため、高性能な観測装置を使っても小さな点にしか見えません。しかし、そのクェーサーと観測者の間に別の天体、例えば銀河がたまたま重なったときに、「重力レンズ現象」が起きます。その確率はアインシュタインが心配したようにかなり低いのですが、レンズの役割を果たしてくれる星や銀河の数は、それこそ星の数ほどある。しかも、天体は絶えず動いています。実際には、重力レンズ現象は頻繁に起きていたのです。

観測とデータ解析、理論計算によって宇宙を探検。

こうした現象を捕まえられるようになった背景には観測方法の革新があります。CCDカメラを使い観測情報をデジタルデータで取り出すようになってから何万、何十万という大量のデータ処理を効率よく行えるようになりました。つまり、星と星が重なる確率が100万分の1、1000万分の1であったとしても、それだけの観測データを集められれば、重力レンズ現象を捉えることができます。この研究室では、実際の観測データを解析し、理論モデルを使って系外惑星やクェーサーなどの存在や構造の解明に挑戦。さらに、ブッラックホールやダークマターなど見えるはずのないものの痕跡を探し、それぞれに応じた観測法やデータ処理の手法を工夫しながら、漆黒の宇宙を探検しています。

さあ、宇宙のフロンティアに漕ぎ出そう。

人類はまだ、宇宙のほんの一部しか見ていません。宇宙は見えない領域の方が圧倒的に大きいのです。重力レンズは、そんな見えない領域に分け入るための優れたツールです。同時に、宇宙を支配する重力という観点から、宇宙全体の構造を明らかにすることも期待されています。また、重力レンズは、拡大率が最大化するように天体が並びさえすれば、100倍以上もの明るさになることがあるため、比較的小さな望遠鏡でも新たな発見が十分に可能です。京都産業大学には、私立大学で国内最大級となる口径1.3mの反射式望遠鏡があり、学生たちが実際に観測・研究に取り組んでいます。

ひとつのことを極めた自信が、次のステップを踏み出す勇気に。

4年次の「特別研究※」では、あなたが関心をもつ天体現象を自由に選んでください。ただ、自分が選んだテーマにおいては、誰よりも詳しい専門家になってほしい。私の意見に反論できるくらいに、ひとつのことを考え抜くことに挑戦してください。大学で「これを極めた」という経験と自信が、次のステップに踏み出す勇気を与えてくれるはずです。たとえ観測困難な天体も、それを見る方法は必ずあります。手と頭を使って、自分なりの方法を見つけてほしい。誰も見たことのない宇宙の風景が、あなたが照らす光を待っています。

※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

Challenging Voice

太陽系を覆うオールトの雲、
その存在を確かめたい!

理学部 物理科学科4年

西出朱里さん

私が興味をもっているのは、彗星が生まれる場所とされている「オールトの雲」。この雲は、彗星の軌道などから、冥王星よりもはるか遠くに無数の小天体が太陽系全体を覆うように存在すると仮定されていますが、まだ誰も見たことはありません。私はこの研究室で、その観測に挑戦したいと思っています。太陽系では難しいので、まずは他の恒星系を外から見ようと計画しています。外から見れば、中心にある恒星の光の吸収の仕方からその存在を確認でき、さらにそうしたデータを集めていけば、太陽系の雲の存在も確認できるはずです。研究は始まったばかりで、今は先生や先輩からデータ観測の基礎や海外の観測データの収集方法などについて学んでいます。星空を眺めるのが好きで、誰も知らない世界を見てみたい。そんな好奇心だけで選んだ理学部でしたが、物理や宇宙観測の楽しさにふれ、興味はどんどん広がっていきました。将来は、そんな自然科学の面白さを子どもたちに伝えられる教師をめざしています。

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