高谷康太郎 准教授

理学部 宇宙物理・気象学科

岸本真 准教授

銀河の中心に空いた巨大な「穴」に宇宙の不思議を解く鍵が隠されている!

1兆個に及ぶ恒星を抱える銀河の中心には、太陽の100万倍から1億倍という桁外れに巨大なブラックホールがあるらしい。さらに、その存在が銀河の形成・進化に深く関係していることが、ここ十数年の間に明らかになってきた。しかし、光をも逃さないブラックホールを、どうしたら「見る」ことができるだろう? 手がかりはある。このブラックホールの巨大な重力で吸い込まれた周囲のガスは、円盤状に渦巻きながら激しく輝いていると考えられる。京都産業大学の岸本真准教授の挑戦は、光の干渉を利用した最先端の観測方法で銀河の瞬きに隠された光を捉え、この巨大ブラックホールを直接「見る」ことにある。それは、「ブラックホール」という宇宙科学のフロンティアを切り拓くと同時に、遥かな天体の動きを直接見るための新たな「目」を得る試みでもある。

銀河の中心に空いた巨大な「穴」に
宇宙の不思議を解く鍵が隠されている!

1兆個に及ぶ恒星を抱える銀河の中心には、太陽の100万倍から1億倍という桁外れに巨大なブラックホールがあるらしい。さらに、その存在が銀河の形成・進化に深く関係していることが、ここ十数年の間に明らかになってきた。しかし、光をも逃さないブラックホールを、どうしたら「見る」ことができるだろう? 手がかりはある。このブラックホールの巨大な重力で吸い込まれた周囲のガスは、円盤状に渦巻きながら激しく輝いていると考えられる。京都産業大学の岸本真准教授の挑戦は、光の干渉を利用した最先端の観測方法で銀河の瞬きに隠された光を捉え、この巨大ブラックホールを直接「見る」ことにある。それは、「ブラックホール」という宇宙科学のフロンティアを切り拓くと同時に、遥かな天体の動きを直接見るための新たな「目」を得る試みでもある。

ブラックホールは
宇宙科学のフロンティア

近年の研究で、銀河の中心にある巨大ブラックホールの質量は、銀河の中央部分の質量のほぼ1000分の1という不可思議な相関関係があることが分かってきました。つまり、銀河の生成や進化にブラックホールが重要な役割を果たしているのではないかと思われます。そのため我々は、このブラックホールを探査し、そのサイズや構造から銀河そのものの生成や進化の過程を明らかにしようとしています。また、銀河の進化は、銀河どうしの衝突・合体によって進んでいくと考えられており、実際の観測でも銀河同士の衝突が数多く報告されています。もし、銀河の中心にブラックホールがあるとしたら、銀河の衝突のあとの中心には、2つのブラックホールが連星のように回り合っているのではないか。これを我々は「バイナリー・ブラックホール」と呼んでいますが、その実態もまだよく分かっていません。

画像提供:ESO

巨大ブラックホールが光を放つ?

もちろん、ブラックホール自体は光りません。そのため望遠鏡を覗いても、直接見ることはできません。しかし、銀河ブラックホールの周辺では、その巨大な重力によって周囲のガスが円盤状になって落ち込んでいき、そのとき解放される重力エネルギーによって熱せられ、とてつもなく明るく光っているはずです。この「巨大ブラックホールを取り囲む系」が、すでに観測されている非常に明るい銀河中心の正体であろうと想像されています。私たちはその光る円盤がどのようなものか直接見ようとしています。

光の干渉が人類の視界を広げた!

巨大ブラックホールを取り囲む系の大きさは1光年ほど。また、バイナリー・ブラックホールの大きさも1光年ほどだと予想されています。「1光年」と聞くと大きく感じられますが、銀河間の距離はあまりに遠く、最高の空間分解能をもつハッブル宇宙望遠鏡でさえ直接見ることはできません。しかし方法はあります。2つ以上の望遠鏡からの光を干渉させ、干渉縞の強弱を測ることで、望遠鏡どうしの間隔に匹敵する大きさの巨大な「疑似」望遠鏡を得て、飛躍的に高い空間分解能が達成できるのです。私たちは現在、ハワイや南米のチリに置かれた望遠鏡を使い、干渉計の精度を高める方法を探りながら、銀河の中心に目を凝らしています。

サイエンティストの心を身につける!

4年次の特別研究では、こうした巨大ブラックホール系の観測やバイナリー・ブラックホールの探究、また、空間分解能を高める観測方法の研究など多くのトピックを学生に提供し、そこから独自に研究テーマを選んでもらっています。どんな研究をするにしろ、皆さんには「サイエンス」の実践を通して、新しいことを発見し理解する喜びを味わってほしい。サイエンスとはそもそも、人が物事を理解し創造するための最も基本的な方法です。実験や観測にもとづいて事実を積み上げ、それを基に思考を展開し、物事を理解する。その理解をベースにさらに予測・推測を行い、理解の幅を広げていく。このプロセスの繰り返しが、新たな発想を生み出す力となります。それは理学研究に限らず、人間として、また社会人として生きる上で最も重要な能力でもあるはずです。

Challenging Voice

「データを違った視点から見る。
新しい発見は、そこから生まれる。」

理学研究科(大学院) 物理学専攻 博士前期課程1年

宮内隆治さん

小さな頃から自然科学に興味があり、まだ明らかになっていない宇宙物理の世界に強く惹かれるようになりました。入学当初は理論に高い関心があり、宇宙についてもっと知りたいと大学の講演会や研究発表に積極的に参加しました。その中で、理論だけでなく観測との両面から研究することの必要性を感じるようになり、岸本研究室を選択。現在は、活動銀河核のガスの動きを観測することによって、その中心部がどのような構造になっているかを研究しています。ハッブル宇宙望遠鏡の観測データを、自分なりの新しい視点で再解析する。また、そのデータを理解するために最適な視覚化を考え、さまざまな角度から分析することを繰り返しながら研究を進めています。解析のためには、パソコンに指示を与えるためのプログラミングのスキルも求められます。ここで、サイエンスの考え方とスキルを身につけたことは、研究をしていく上ではもちろん、企業で働く際にも大きな力になると思います。

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