高谷康太郎 准教授

理学部 物理科学科

伊藤豊 准教授

超不思議な超伝導体の解明へ!物理学の最前線がここにある!!

ある金属や化合物を極低温0K(-273.15℃)近くまで冷やすと、電気抵抗がゼロになる。超伝導現象※が発見されたのは1911年、最初は水銀で確認された。1957年、量子論をもとにこの現象を説明するBCS理論が発表された。この理論が予言した温度の限界は40K(−233℃)。しかし21世紀には、この理論値を超えた高温超伝導物質が次々に発見されている。素粒子が集まった物質の世界には、素粒子論だけでは説明しきれない独自の理論があり、現象がある。物性物理学の研究では1+1=2とは限らない。京都産業大学の伊藤准教授は、そんな物質の構造や電子のふるまいを直接観察できる核磁気共鳴法(NMR)を駆使して、物質が見せるさまざまな不思議と向き合う。物質が集まるところに詰まった、無限の可能性を求めて…。

※超伝導体は完全導電性以外にも、物質内部から磁気を遮断するマイスナー効果や外部磁場が変化しても物質内部の磁束の位置が変化しないピン止め効果を持ち、これらの効果によって超伝導磁石は浮上・静止することができる。

超不思議な超伝導体の解明へ!
物理学の最前線がここにある!!

超伝導現象※が発見されたのは1911年、最初は水銀で確認された。1957年、量子論をもとにこの現象を説明するBCS理論が発表された。この理論が予言した温度の限界は40K(−233℃)。しかし21世紀には、この理論値を超えた高温超伝導物質が次々に発見されている。素粒子が集まった物質の世界には、素粒子論だけでは説明しきれない独自の理論があり、現象がある。物性物理学の研究では1+1=2とは限らない。京都産業大学の伊藤准教授は、そんな物質の構造や電子のふるまいを直接観察できる核磁気共鳴法(NMR)を駆使して、物質が見せるさまざまな不思議と向き合う。物質が集まるところに詰まった、無限の可能性を求めて…。

※超伝導体は完全導電性以外にも、物質内部から磁気を遮断するマイスナー効果や外部磁場が変化しても物質内部の磁束の位置が変化しないピン止め効果を持ち、これらの効果によって超伝導磁石は浮上・静止することができる。

物理学者の想像を超えた
多様で豊かな物質世界

物質は素粒子の集まりに過ぎませんが、その固まりが引き起こす現象は実に多彩で、さまざまな不思議に満ちています。そして、量子論や素粒子論など根源的な理論だけでは説明がつかないものばかりです。したがって物性物理学の研究者たちは、既存の理論に捕らわれることなく、つねに新しい種類の物質の組み合わせに挑戦し続けています。超伝導物質もそのターゲットのひとつ。実は、超伝導現象を説明するBCS理論は、素粒子論にも影響を与えています。つまり、より根源的な素粒子や宇宙の果てを研究するだけが物理学ではありません。私たちの身近な物質の中にこそ、物理学の最前線はあるのです。

NMRを使って
不思議の世界を直接観察

しかも、物性物理学研究の醍醐味は、その現象を実際に観察し、実験できることにあります。素粒子研究ではすでに、理論の実証に宇宙規模の実験設備を必要とし、数世紀を待たなければ実証不可能な理論もあります。しかし、物性物理学の研究では、大学の小規模な研究室でも世界を驚かせる発見が可能です。私たちの研究室では、そのツールに核磁気共鳴法(NMR)という手段を用いています。これは病院で使われているMRIと同じ原理で、物質にラジオ波を照射すると、その中の原子核が共鳴を起こす現象を利用します。私たちはこの共鳴現象を観察することから、その物質内部の構造や電子のふるまいを知ることができます。

物性物理学の世界では
1+1が2にならない

研究室では、このNMRを使って超伝導体や磁性体、誘電体など面白い性質をもつ物質を幅広く研究対象としています。中でも超伝導物質は、完全導電性以外にも、マイスナー効果やピン止め効果などユニークな物性をいくつも有しています。超伝導現象自体は100年ほど前に発見されましたが、1980年代に銅酸化物超伝導体が液体窒素の沸点に近い、比較的高い温度で現象を起こすことが確認されると、超伝導コイルや直流送電などへの応用への期待が一気に膨らみました。21世紀に入ってからも、それまでの理論的な限界値を超えた高温超伝導物質が次々に発見されています。人類はまだまだ物質を調べ尽くしてはいないのです。人類が知る元素は限られており、個々の性質や構造はよく知られていますが、それが他の元素とくっつくと、思いもよらない新しい現象を引き起こします。物性物理の世界では、1+1が2とはならず、さらに大きな可能性をもたらしてくれるのです。

大切なのは「目のつけどころ」

4年次の「特別研究※」では学生の皆さんにも、さまざまな物質の物性に関する測定や実験に挑戦してもらいます。対象とする物質は、とにかく面白いと思うものなら何でもいい。ただ、こうした研究・実験には根気が必要です。また、基礎となるさまざまな物理学の基礎も身につけておかねばなりません。さらに、発見や実証に近づくために実験をいかに組み立てるか、自ら考えなければなりません。いわば、「目のつけどころ」が非常に大切です。それは、失敗と成功の繰り返しの中で身につくもので、一朝一夕に得られるものではありません。しかし、努力で身につけたこの感性は、あなたがいつか、未知の世界に立ち向かう中で進むべき道を探し当てるためにも必要なものでもあります。ここでの挑戦はきっと、あなたの将来を切り拓く大きな力となるでしょう。

※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

Challenging Voice

「未来の素材を研究したい!
探究心が高まる学びがいっぱい。」

理学部 物理科学科4年

裏谷 研人さん

炭素ナノ構造体に興味をもっていて、未来の素材を研究したいと京都産業大学に入学を決めました。一番印象に残っている授業は、「媒質中の電磁気学」。先生がテーマに沿った実験を用意してくださり、座学だけではなく自分の目で見て知識を深めることができました。理学部は、先生と学生の距離がとても近いのが特徴。卒業研究に向けてはもちろん、授業でも学生一人ひとりと向き合ってくださり、名前を呼ばれて意見を求められることもあります。高校生のみなさんの中には、物理科学を学びたいと思っていてもどんな分野を研究したいかわからない人もいるかもしれません。多くの研究実績をもつ京都産業大学には、幅広い選択肢があります。また、ランチタイムを利用して先生方が自身の研究について詳しく話してくださる機会もあります。オープンキャンパスでも先生方が実験を実演してくれるので、参加してみるのもおすすめです。そこから、あなたの好奇心を刺激する研究にきっと出会えると思います。

「歴史的な問題から基礎を学び、
最先端のテーマにつなげていく。」

理学部 物理科学科4年

松岡 朗平さん

子どもの頃からものづくりが大好きでした。そこからどんどん理論の面白さに魅了され、物理の分野をじっくり学びたいと京都産業大学物理科学科に進学しました。物理科学科では、実験や演習などの実践的なカリキュラムが充実していて、「物理学実験」では幅広い分野の実験に挑戦しました。特に興味深かったのは、光速の測定実験です。光の速度を測るには、距離と時間から求める方法と電子素子の装置を使って測る方法の二通りあり、それらについて実験を通して学びました。ほかにも、量子力学の基礎となる実験や電子一個の電気量を測る素電荷の実験など、この授業で扱うのは、20世紀の物理科学を代表する歴史的にも重要なテーマばかり。それらを積み重ねた上で、4年生から最先端の実験・研究にふれていきます。研究室では、核磁気共鳴法を用いた物性研究を先輩たちから引き継いで取り組んでいく予定です。実践的なカリキュラムの中で、興味がどんどん広がっていくことを実感しています。

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