高谷康太郎 准教授

理学部 宇宙物理・気象学科

佐川英夫 准教授

木星の空は何色?

木星の大気現象は、これほどまでに多彩で複雑だったのか……5年にわたる孤独な旅を経て、木星の極軌道に入ったNASAの木星探査機Juno。今年7月、公表された観測写真に、世界の研究者はため息をついた。木星の南極上空5万kmで撮られたその画像には、直径1000kmにも及ぶ無数の台風が複雑に絡み合う姿が映し出されていた。木星を特徴づける巨大な赤い斑点と茶色のボーダー柄も、Junoの観測データによって、予想以上に複雑で分厚い層をもつことが明らかになりつつある。太陽系内天体の大気現象を研究する京都産業大学の佐川准教授にとっても、木星は特別な惑星である。その巨大さゆえに、太陽系や地球の成り立ちに大きな影響を与える存在だからだ。2022年にはESA(欧州宇宙機関)の木星氷衛星探査機JUICEの打ち上げが予定されている。この史上最大級の国際太陽系探査計画に、佐川准教授も観測機器開発を通して参画。木星の衛星ガニメデをメインターゲットに、新たな可能性を探る旅がはじまる。

木星の空は何色?

木星の大気現象は、これほどまでに多彩で複雑だったのか……5年にわたる孤独な旅を経て、木星の極軌道に入ったNASAの木星探査機Juno。今年7月、公表された観測写真に、世界の研究者はため息をついた。木星の南極上空5万kmで撮られたその画像には、直径1000kmにも及ぶ無数の台風が複雑に絡み合う姿が映し出されていた。木星を特徴づける巨大な赤い斑点と茶色のボーダー柄も、Junoの観測データによって、予想以上に複雑で分厚い層をもつことが明らかになりつつある。太陽系内天体の大気現象を研究する京都産業大学の佐川准教授にとっても、木星は特別な惑星である。その巨大さゆえに、太陽系や地球の成り立ちに大きな影響を与える存在だからだ。2022年にはESA(欧州宇宙機関)の木星氷衛星探査機JUICEの打ち上げが予定されている。この史上最大級の国際太陽系探査計画に、佐川准教授も観測機器開発を通して参画。木星の衛星ガニメデをメインターゲットに、新たな可能性を探る旅がはじまる。

そこには、地球と全く異なる空が広がっていた。

地球の大気の主成分は窒素と酸素であるのに対し、木星や土星などのガス惑星の大気は、太陽と同じく水素とヘリウムが主成分です。木星では、水素の大気にアンモニアなどから構成される雲が浮かび、それが木星の特徴である縞模様を作っています。木星にも低・高気圧や台風、雷、オーロラなど地球大気と似た現象がありますが、大赤斑のような巨大な”台風”が百年以上の長期間存在し続けることは、地球ではあり得ません。そんな、同じ太陽系でも地球とは極端に異なる惑星の気象現象を理解することで、より普遍的な大気物理学を引き出すべく研究しています。

木星の理解が、太陽系の歴史を紐解く鍵に。

実は、地球の大気現象もまだ謎だらけです。そして地球を知るためには、地球の中だけで考えていては限界があります。そもそも、なぜ地球の大気が酸素と窒素なのか。そこで目を付けたのが太陽系内の他の惑星です。特に木星は太陽の次に大きく、その巨大な引力が太陽系の成り立ちや、その他の惑星の軌道などにも影響を与えています。木星の観測や探査は、太陽系全体の歴史を紐解くためにも重要なのです。

好奇心の翼を広げ、思い切り宇宙へ!

4年次に行う「特別研究」では、学生が興味のある惑星を選び、それぞれの大気現象の謎の解明に挑戦します。ただし、1つの現象に研究対象を絞ったとしても、惑星科学に関する幅広い知識が必要となります。研究の狙いの1つは、多様な情報や知識をつなぎ合わせ、課題解決の方法を自ら探し出すこと。その経験は将来、社会のさまざまな場面で、与えられた課題に立ち向かう際に必ず役立つはずです。大学では、あなたがもつ好奇心の翼を広げ、宇宙の謎に挑んでほしいと思います。

  • ※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

Challenging Voice

新しい発見の喜びを今度は、
自分が計画した研究の中で。

理学部 物理科学科4年

森本 芳さん

高校のとき、花粉症に悩まされていた私は、目に見えない大気の中の小さな物質が人間に影響を与えることを不思議に思い、地球の大気や気象現象に興味を持ちました。大学に入り、講義を受けるなかで、その興味は地球から宇宙に広がっていきました。現在、私が注目しているのは、土星最大の衛星である「タイタン」です。そこには地球よりも濃い大気があり、地球と似た地形や気象現象があると予想されています。また、地下には氷の層の下にアンモニア水の海があると言われ、生命が存在しているかもしれません。こうした謎を解くためには、多くの観測データが必要です。実習で、実際に神山天文台で天体観測に挑戦したときには、さまざまな観測方法を試しました。観測したデータを解析するためのプログラミングには苦労しましたが、多くの発見や気づきがありました。そんな発見の喜びを今度は、これから始まる卒業研究の中で味わってみたいと思っています。

※学年表記は取材当時(2017年)のものです。

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